一本のタスキに、都道府県の誇りが懸かる

皇后盃 第44回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会。
全国47都道府県の精鋭たちが一堂に会し、一本のタスキをつなぐ――毎年1月、女子駅伝の“日本一”を決めるこの大会は、世代も立場も異なる選手たちが同じ目標に向かって走る、唯一無二の舞台だ。
中学生から社会人、そして世界で戦う代表クラスまでが混在するチーム構成は、戦力の単純比較を難しくし、区間配置と展開力が勝敗を大きく左右する。
この記事では、都道府県対抗女子駅伝2026(皇后盃 第44回大会)を、区間構成・注目選手・優勝予想の構図という視点から、じっくり読み解いていく。
皇后盃 第44回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会とは
皇后盃 第44回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会は、日本陸上競技連盟が主催する女子駅伝の全国大会で、47都道府県がそれぞれ代表チームを編成して争う、日本最高峰の女子都道府県対抗駅伝である。
一般的には「都道府県対抗女子駅伝」の名称で親しまれており、毎年1月に開催される新年恒例のビッグイベントとして、駅伝ファンのみならず多くのスポーツファンから注目を集めている。
この大会最大の特徴は、年齢や所属の枠を超えたチーム構成にある。中学生・高校生・大学生・実業団・トップアスリートまでが同じ都道府県の代表として一つのタスキをつなぐ大会は、国内でも極めて珍しい。
個々のスター選手だけでなく、都道府県全体としての育成力・選手層の厚さ・区間配置の巧みさが、勝敗に直結する点が大きな魅力だ。
皇后盃 全国都道府県対抗女子駅伝の区間エントリーは、通常は大会当日の朝に正式発表される。2026年大会も、1月11日(日)に正式オーダーが明らかになる見込みだ。
ライブ配信・放送情報
テレビ放送(地上波)
NHK総合テレビ(全国放送)
- 放送日:2026年1月11日(日)
- 放送時間:12:15 ~ 15:10(予定)
- スタート時刻:12:30
インターネット配信(ライブ+見逃し)
NHKプラス(公式配信)
- 配信時間:12:15 ~ 15:10
- 対応端末:スマートフォン/タブレット/PC
- 見逃し配信:放送後 約1週間 視聴可能
ラジオ中継
NHKラジオ第1
- 放送時間:12:15 ~ レース終了まで
- 全国放送
都道府県対抗女子駅伝2026 優勝候補とされる都道府県
皇后盃 第44回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会(2026年)は、エントリー選手を見る限り、今年も明確な勢力図が見えている。
中心となるのは、直近数年で上位常連となっているチームと、“一人で流れを変えられるエース”を擁する都道府県だ。
本命候補|京都府
「完成度」で他を圧倒する王者
京都府は2026年大会においても、最有力の優勝候補と評価できる。
- 実業団の川村楓(岩谷産業)、中地こころ(シスメックス)
- 立命館大学勢による中盤の安定
- 立命館宇治高校を中心とした高校生層
- 中学生区間を含めた構成の完成度
これらがすべて高水準でそろっており、どの区間にも「弱点」と言える箇所が見当たらない。
特に9区10kmを任せられるアンカーが明確に存在する点は、他県と比べても大きなアドバンテージだ。京都府は今年も、「崩れにくく、最後に勝つ駅伝」を展開できるチームである。
対抗候補|大阪府
層の厚さが最大の武器となる総合力チーム
大阪府は、京都府を追う最大の対抗馬だ。
- 逸見亜優(豊田自動織機)、佐藤千紘(岩谷産業)という実業団の軸
- エディオン勢による中盤の厚み
- 薫英女学院高校からの大量選出
- 中学生区間まで含めた安定感
派手な一撃よりも、「最後まで優勝争いに残り続ける力」を持つのが大阪の特徴である。
京都が僅かでもミスをすれば、その隙を突いて勝負に持ち込めるのが大阪府だと言える。
単穴候補|兵庫県
田中希実という“反則級カード”を持つ危険な存在
兵庫県は、展開次第では一気に優勝まで突き抜ける可能性を秘めたチームだ。
最大の理由は、田中希実(New Balance)の存在に尽きる。
- 1区でも9区でも流れを破壊できる衝撃力
- ノーリツ、三井住友海上など実業団の質
- 須磨学園高校による高校生層
- 中学生区間の配置自由度
すべてが噛み合ったとき、兵庫県は「一番強い勝ち方」をする可能性がある。
一方で、エースに依存度が高いぶん、配置が噛み合わない場合は取りこぼしもあり得る。その意味で、最も振れ幅の大きい優勝候補と言える。
上位進出候補|福岡県
条件が噛み合えば表彰台、届けば優勝争い
福岡県は2026年大会において、「優勝候補の背後につける実力派」という位置づけになる。
京都・大阪・兵庫ほどのインパクトはないものの、過去5大会で何度も上位入りしている通り、総合力と安定感では全国屈指のチームだ。
福岡県が評価される理由
福岡県の強さは、「突出した1区間」よりも、9区間を通しての平均点の高さにある。
- 実業団・大学勢がそろい、中盤が安定
- 高校生世代(筑紫女学園など)の駅伝対応力
- 中学生区間でも大崩れしにくい構成
このため、気がつけば常に5位以内にいるという試合展開が多い。
優勝に届かない理由も明確
一方で、福岡県が「本命」や「対抗」にまでは上げにくい理由もはっきりしている。
- 京都の川村楓
- 大阪の逸見亜優
- 兵庫の田中希実
といった “1区間でレースを壊せる絶対軸”が見当たらない。
そのため、
- 優勝争いが加速したとき
- 9区10kmで叩き合いになったとき
に、あと一押しが足りなくなるケースが多い。
2026年福岡県の現実的な立ち位置
総合的に見ると、福岡県は
- 表彰台圏内:十分に現実的
- 優勝:他県のミス待ち、または展開大当たり
という評価が妥当だ。
京都・大阪・兵庫が想定通りのレースをした場合、福岡は「4〜5番手」になる可能性が高い。
しかし、
- 上位県の中学生区間での失速
- 難しい区間配置による誤算
が起きた場合、最後に浮上してくるのが福岡という展開は、これまで何度も見られてきた。
上位進出候補|千葉県
静かに優勝争いへ食い込むダークホース
千葉県は、優勝候補の一角として無視できない存在だ。
- 山﨑りさ(積水化学)を軸とした実業団
- 赤堀かりん(スターツ)の攻めの走り
- ユニバーサル勢による層の厚さ
- 市立船橋高校を中心とした駅伝向きの高校生世代
- 中学生区間の爆発力
序盤から主導権を握るタイプではないが、終盤までじわじわと順位を上げてくる展開が想像できる。
表彰台、さらには優勝争いに絡んでも不思議ではない構成だ。
要警戒勢|群馬県・石川県
- 群馬県:不破聖衣来の存在感は依然として大きく、走る区間次第では一気に流れを変えられる。
- 石川県:五島莉乃(資生堂)が配置される区間次第で、一時的に優勝圏内へ食い込む可能性がある。
どちらも「優勝本命」とは言い切れないが、展開を大きく左右する存在であることは間違いない。
過去5年間の上位3都道府県チーム
第43回2025年1月12日
- 1位:京都府
- 2位:大阪府
- 3位:福岡県
第42回2024年1月14日
- 1位:宮城県
- 2位:京都府
- 3位:広島県
第41回2023年1月15日
- 1位:大阪府
- 2位:京都府
- 3位:福岡県
第40回2022年1月16日
- 1位:京都府
- 2位:福岡県
- 3位:宮城県
第39回2021年1月17日
新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため大会中止
第38回2020年1月12日
- 1位:京都府
- 2位:宮城県
- 3位:東京都
京都府の注目選手
川村 楓(岩谷産業)
京都府の象徴的存在が、実業団エースの川村楓だ。過去大会でもアンカーを務め、ラスト10kmで勝負を決められる力を持つ選手として知られる。
- 単独走でもペースを落とさない安定感
- プレッシャーのかかる展開で力を出せる勝負強さ
京都府が終盤まで優勝圏内にいれば、最終的な主役になるのは川村楓という展開は、十分に想定できる。
中地 こころ(シスメックス)
中地こころは、川村と並ぶ京都府の実業団勢の柱。中盤〜終盤のどこに置いても計算できる選手で、レースを安定させる役割を担う存在だ。
- ミスの少ないレース運び
- 前後の区間を生かす走り
京都が「無理に攻めず、じわじわ主導権を握る駅伝」をできるのは、中地の存在が大きい。
太田 咲雪・佐藤 ゆあ(立命館大学)
大学生世代では、太田咲雪と佐藤ゆあの立命館大学コンビが鍵を握る。
大学生区間は、
- 実業団につなぐ
- 高校生区間の後遺症を消す
という重要な役割を担う。
この2人が安定して走れることで、京都府は終盤勝負に余力を残す展開を作りやすくなる。
芦田 和佳・小林 美友(立命館宇治高校)
高校生世代の中心は、芦田和佳と小林美友。
全国高校駅伝の常連である 立命館宇治高校の選手が複数名いること自体、京都府の層の厚さを物語っている。
- 崩れにくい走り
- 駅伝を知り尽くしたレース対応
この世代が安定すれば、京都府は中盤でレースを荒らされる心配がほとんどない。
南村 京伽(立命館宇治高校)
南村京伽は、今回のメンバーの中でも将来性が高い存在だ。たとえ主要区間を任されなくても、チーム内に置いておくだけで戦略の幅が広がる選手と言える。
今西 芽衣・植田 蒼望・松井 暖々(中学生)
都道府県対抗女子駅伝で“勝てる京都”を支えているのが、毎年高水準の中学生世代だ。
- 今西芽衣(長岡二中)
- 植田蒼望(大住中)
- 松井暖々(男山三中)
3名そろっていることで、3区・8区の配置に柔軟性が生まれ、流れを見て勝負区間を選べるのは大きなアドバンテージとなる。
大阪府の注目選手
逸見 亜優(豊田自動織機)
大阪府最大の注目選手が、実業団エースの逸見亜優だ。都道府県対抗女子駅伝においては、
- 長い距離でも安定したペースを刻める
- 勝負区間で流れを引き寄せられる
- 圧力のかかる状況に強い
という特性を持つ選手が鍵を握るが、逸見はまさにその条件を満たす存在。
どの区間に置かれても計算が立ち、大阪府が優勝を狙う上で欠かせない存在と言える。
佐藤 千紘(岩谷産業)
佐藤千紘は、終盤区間で最も頼れる戦力のひとりだ。ハイレベルな展開の中でも粘り強く走り切ることができ、アンカーやアンカー前区間での起用が想定される。
- 単独走でもペースを維持できる
- 集団での競り合いに強い
大阪が最終盤で勝負できるかどうかは、佐藤の出来が大きく影響するだろう。
中島 紗弥・水本 佳菜・塚本 夕藍(エディオン)
大阪府の“層の厚さ”を象徴するのが、中島紗弥・水本佳菜・塚本夕藍といったエディオン勢だ。
この3人がいることで、
- 序盤〜中盤で崩れない
- 不測の展開にも対応できる
- 若い世代へ良い流れでつなげる
という大阪府の駅伝が成立する。派手さはなくとも、優勝争いに残るための必須パーツである。
河村 璃央・福本 真生・村井 和果・田谷 玲・奥野 カイア(薫英女学院高校)
大阪府の高校生世代の中心は、全国屈指の強豪・薫英女学院高校の選手たちだ。
- 河村璃央
- 福本真生
- 村井和果
- 田谷玲
- 奥野カイア
複数名がエントリーされていることで、高校生区間の配置に大きな柔軟性が生まれる。
この世代が安定すれば、大阪府はレース中盤で主導権を失わない。
東野 翠(ドリームアスリート)
東野翠は、展開に応じて起用されることで、流れを変える可能性を秘めた選手だ。
- 中盤で順位を押し上げたい
- 他県の仕掛けに対応したい
そんな場面で、攻守両面の役割を担えるピースとなる。
田中 美空(泉大津誠風中)谷内 三海(河南中)
中学生区間で鍵を握るのが、田中美空と谷内三海だ。
都道府県対抗女子駅伝では、中学生区間(3区・8区)で、
- 流れを維持できるか
- 一気に仕掛けるか
その判断が勝敗を左右する。
この2人の起用法が、大阪府の戦略そのものに直結すると言っていい。
兵庫県の注目選手
田中 希実(New Balance)
兵庫県最大の注目選手は、言うまでもなく田中希実である。都道府県対抗女子駅伝において、田中の存在は1区でもアンカーでもレースを壊せるレベルだ。
- 圧倒的なスピードと持久力
- どの距離・どの区間にも対応可能
- 単独で展開をひっくり返せる影響力
田中がどの区間に配置されるかによって、兵庫県の戦い方そのものが決まると言っていい。優勝争いの最大のキーマンであることは間違いない。
藤村 晶菜(ノーリツ)清水 里名(ノーリツ)
兵庫県は、田中希実一人に依存しない。藤村晶菜、清水里名といったノーリツ勢が、レース全体に安定感をもたらす。
- 中盤で崩れない
- 集団内のペースに対応できる
- 若い世代へ良い形でタスキを渡せる
この2人が配置される区間は、「兵庫は耐えてくる」という印象を他県に与えるだろう。
永長 里緒(三井住友海上)
永長里緒は、兵庫県にとって“勝負をかけられる区間要員”だ。流れが停滞した場面で、順位を動かす役割を担える存在である。
特に終盤区間に入れば、田中希実へつなぐ、あるいは田中から受ける重要な役割を託される可能性が高い。
石松 愛朱加(名城大学)
大学生世代では、石松愛朱加の存在感が際立つ。全国レベルの経験を持つ名城大学所属であり、ハイペース区間でも大きく崩れない。
- 実業団前後の“つなぎ区間”に最適
- 勝負所で我慢できる強さ
兵庫県が終盤勝負に持ち込むための重要ピースだ。
池野 絵莉・種 知里・金子 聖奈・西村 美羽菜(須磨学園高校)
兵庫県の層の厚さを象徴するのが、須磨学園高校からの大量選出である。
- 池野絵莉
- 種知里
- 金子聖奈
- 西村美羽菜
この世代が複数人そろっていることで、高校生区間の配置自由度が非常に高く、どの区間でも計算が立つ。
山本 心愛(西脇工業高校)
名門・西脇工業高校の山本心愛は、兵庫県らしさを象徴する選手だ。
- 我慢強さ
- ペース耐性
- 駅伝への適応力
派手さはなくとも、確実にチームを支える役割が期待される。
福井 詩(安室中)/木村 葉月(荒井中)/森貞 帆加(星陵台中)
中学生区間を担う3人も、兵庫県の大きな武器だ。3区・8区の配置次第で、
- 前半勝負
- 終盤勝負
どちらにも持ち込める。
田中希実へ良い流れを渡すための中学生配置が、兵庫県の戦略上、非常に重要になる。
福岡県の注目選手
南雲 栞理(肥後銀行)
福岡県の“土台”を支える実業団エース
実業団所属の南雲栞理は、福岡県の中で最も経験値の高い存在だ。都道府県対抗女子駅伝では、実業団選手の安定感が中盤~終盤の順位を左右する。
- ペースを崩さない走り
- 単独走にも集団走にも対応できる強さ
- 若い世代を支える精神的な柱
南雲がどの区間に配置されるにせよ、「福岡県は簡単には崩れない」というメッセージをレース全体に与える存在となる。
宮原 なな佳(福岡大学)福山 光(福岡大学)
大学生世代では、宮原なな佳と福山光の存在が大きい。大学生区間は、実業団区間に入る前後の重要な“つなぎ”となるため、レースの流れを維持できるかどうかが強く問われる。
この2人が安定した走りでタスキをつなげば、福岡県は後半勝負につながる位置をキープできるだろう。
金森 詩絵菜(名城大学)
大学女子長距離界の強豪・名城大学所属の金森詩絵菜は、経験値・レース対応力の面で福岡県屈指の存在だ。
- 全国大会を知るメンタルの強さ
- ハイレベルなペースへの適応力
展開が厳しくなった区間でも、大崩れしない走りが期待できるキーパーソンと言える。
岡本 彩希(九州国際大学付属高校)
高校生世代の中心となるのが、岡本彩希だ。都道府県対抗女子駅伝では、高校生区間の出来が順位に直結しやすく、岡本の走りがレースの中盤を大きく左右する。
- 粘り強さ
- タフな展開での対応力
高校生ながら、チームの流れを左右する存在として注目したい。
中村 愛琉・井上 花音・岡村 悠花(北九州市立高校)
北九州市立高校勢からは、中村愛琉・井上花音・岡村悠花の3名が名を連ねる。
複数名が選出されていること自体が、福岡県の高校生世代の充実ぶりを示している。
誰が区間を任されても、「最低限をまとめる走り」ができるかどうかがポイントになる。
佐々木 玲奈・大熊 さわ(筑紫女学園高校)
伝統校・筑紫女学園高校からは、佐々木玲奈と大熊さわが選出された。
この世代は、
- 故障なく走り切れるか
- 大舞台で力を出せるか
が大きなテーマとなる。2026年大会は、将来を占う意味でも重要なレースになるだろう。
橋本 和盛(行橋中)古賀 柚羽(高宮中)天野 結月(三国中)
中学生勢では、橋本和奈・古賀柚羽・天野結月の3名が選ばれている。
都道府県対抗女子駅伝では、中学生区間での極端な失速が命取りになるため、自分の走りを貫けるかどうかが最大の焦点だ。
大舞台を経験することで、今後の福岡県女子駅伝を担う存在へ成長していく可能性も高い。
千葉県の注目選手
山﨑 りさ(積水化学)
千葉県最大の注目選手が、実業団エースの山﨑りさである。長い距離でも安定したペースを刻める選手で、都道府県対抗女子駅伝では中盤〜後半の主軸区間を任される可能性が高い。
- ハイレベルなペース耐性
- 勝負どころで崩れない安定感
- 上位県と互角に渡り合える実力
山﨑の配置次第で、千葉県が「追う立場」なのか「勝負圏内」なのかが決まる。
赤堀 かりん(スターツ)
赤堀かりんは、山﨑とはタイプの異なる“動かせる選手”。積極的な走りで、膠着した集団を一気に崩す役割を担える存在だ。
- 仕掛けられる脚質
- 単独走しやすい中距離対応力
赤堀が力を出し切れる区間に入れば、千葉県が一気に上位浮上する場面も十分に考えられる。
筒井 咲帆・鷲見 梓沙・山本 明日香(ユニバーサル)
千葉県の強みは、山﨑・赤堀だけに頼らない点にある。
- 筒井咲帆
- 鷲見梓沙
- 山本明日香
このユニバーサル勢3人の存在により、中盤区間で大きく崩れるリスクが小さい。
派手さはないが、確実につなぐ力を備えたランナー達が、千葉県の“下支え”となる。
今西 紗世(帝京科学大学)
大学生区間では、今西紗世が注目株だ。都道府県対抗女子駅伝では、
大学生区間の出来が最終順位に直結しやすく、今西の走りは流れを左右する。
- 実業団区間へつなぐ役割
- 高校生区間の後処理
この2点を担える存在として、展開を整える役割が求められる。
石川 舞桜・藤重 桃子・天羽 海乃(市立船橋高校)
千葉県の高校生世代を引っ張るのが、市立船橋高校の3人だ。
- 渡邉理早子(佐倉高)
- 石川舞桜
- 藤重桃子
- 天羽海乃
高校生区間では、「大崩れしない」ことが最大の価値となる。
この世代が踏ん張ることで、千葉県は中盤〜終盤まで勝負圏内に残れる。
桑原 梛波(流山南部中)/茂手木 想(君津周西中)/鈴木 ふたば(小見川中)
中学生区間を担う3人は、千葉県の“爆発枠”とも言える存在だ。
中学生区間(3区・8区)は距離が短く、勢い次第で一気に順位を引き上げることができる。
この3人の起用次第で、千葉県の戦略は守りにも攻めにも転じる。
その他の注目選手
樺沢 和佳奈(群馬県・三井住友海上)
樺沢和佳奈は、派手な話題性こそ少ないものの、安定感と実戦力で確実に評価を積み上げてきた存在だ。
都道府県対抗女子駅伝のように、
- 短距離区間とロング区間が混在し
- 展開が激しく変化する大会
では、「大きく崩れない選手」こそが、最終順位に大きく影響を与える。
樺沢の最大の武器は、どの位置でタスキを受けても自分の走りができる点にある。
- 追う展開でも焦らない
- 守る展開でもペースを落とさない
- 集団でも単独でも走れる
こうした特性は、中盤〜終盤の“流れを安定させる区間”で絶大な効果を発揮する。
勝負が静かに進む中で、気がつけば順位を上げている——樺沢和佳奈は、そんなタイプの選手だ。
樺沢が配置される区間は、「レースが壊れない区間」になる可能性が高い。
その存在は、派手な区間賞よりも、総合順位に効いてくる。大会全体を俯瞰したとき、確実に“影響力のある1人”として押さえておきたい。
不破 聖衣来(群馬県・三井住友海上)
都道府県対抗女子駅伝において、名前が出た瞬間に空気が変わる選手がいる。不破聖衣来は、まさにその代表格だ。
過去大会でも、不破が出場するかどうか、どの区間に入るかで、優勝候補の評価が一変する場面を何度も見てきた。
不破の強さは、単なるスピードや記録ではない。
- ハイペースでも動じない
- 勝負を恐れず前に出られる
- 一区間で流れを一変させられる
この「一気にレースを動かす力」は、都道府県対抗女子駅伝のような集団戦の大会では、最も警戒される要素だ。
たとえ中盤区間であっても、不破が走る区間は事実上の勝負区間となる。
- 前半なら勢力図を早々に洗い出し
- 中盤なら他県の戦略を崩し
- 終盤なら優勝争いを一気に収束させる
不破聖衣来は、「戦術を無効化できる選手」と言っていい。
不破が出場するだけで、他県は区間配置を慎重に再考せざるを得ない。
それほどまでに、一人の存在が戦略に影響を与える選手は多くない。
2026年大会においても、不破聖衣来の動向は、優勝争いを占う上で最大級の注目ポイントとなる。
五島 莉乃(石川県・資生堂)
石川県代表として出場する五島莉乃(資生堂)は、2026年大会における全国屈指の注目選手の一人だ。単に石川県のエースという枠を超え、「どの県のファンであっても必ず意識する存在」と言っていい。
五島莉乃の最大の強みは、駅伝において最も信頼できる要素をすべて備えている点にある。
- ハイレベルなスピードと持久力
- ロードでの強さ
- 単独走でもペースが落ちない精神力
- プレッシャーのかかる場面で結果を出せる勝負強さ
都道府県対抗女子駅伝のように、前後の区間が中学生・高校生になる複雑な編成では、五島のような“計算できる実業団エース”の価値は極めて高い。
五島莉乃は、仮に1区・中盤区間・アンカーのどこに配置されても、その区間が即、勝負区間になる選手だ。
- 序盤なら、勢力図を一気に整理する
- 中盤なら、石川県を一気に上位へ引き上げる
- 終盤なら、順位を確定させる
こうした“万能性”を持つ選手は多くない。
だからこそ、五島がどの区間に入るか=石川県の狙いと考えてよい。
石川県は例年、層で押し切るタイプではない分、エースの出来が結果に直結しやすいチームである。
その中で五島莉乃の存在は
- 若い世代が思い切って走れる
- レース全体に安定感が生まれる
- 他県が無視できない存在になる
という、精神面も含めた“支柱”だ。
仮に中盤まで苦しい展開になっても、「まだ五島がいる」という状況そのものが、石川県にとって大きな武器となる。
五島莉乃は、優勝候補である京都・大阪・兵庫のいずれにとっても、“無視できない存在”だ。
特に、
- 勝負が拮抗した状況
- 追い上げムードが高まる場面
では、五島の一走が表彰台争いの構図そのものを塗り替える可能性がある。
石川県が仮に優勝争いに絡めば、その中心に立つのは間違いなく五島莉乃だ。
観戦する側の視点から見ても、五島莉乃は「タイム」だけでなく「レースの変化点」を楽しめる選手である。
- 集団が崩れる瞬間
- 単独で前との差を詰める場面
- 追う立場と守る立場が入れ替わる瞬間
その多くに、五島が関与する可能性は高い。
コースと区間の紹介
皇后盃 全国都道府県対抗女子駅伝競走大会は、京都市内を舞台に、全9区間・42.195kmで行われる。
スタートとフィニッシュはたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)。そこから市内を巡る、アップダウンと直線が混在した“駅伝向きのコース”が設定されている。
コース全体の特徴
この大会のコース最大の特徴は、次の3点だ。
- 序盤からハイペースになりにくい
- 細かなアップダウンが脚を削る
- 終盤(9区10km)で一気に決着がつきやすい
1区から勢いよく飛び出しても、その貯金を守り切るのは難しく、中学生・高校生区間をどう耐え、実業団区間でどう勝負するかが、結果に直結する。
第1区|6.0km
レースの流れを決めるスタート区間
47都道府県の代表が一斉にスタートする1区は、タイム以上に位置取りと冷静さが求められる。
ここで大きく前に出るよりも、
- 上位集団に残る
- 無理をしない
- 後続につなぐ
この判断が、その後の8区間すべてに影響を与える。
第2区|4.0km
リズムを作る短距離区間
距離が短く、一見すると楽に見えるが、
ペースの速さに対応できないと差が生まれやすい区間。
1区で作られた流れを維持できるかどうかが焦点となる。
第3区|3.0km(中学生区間)
最初の「波乱ポイント」
都道府県対抗女子駅伝で、最も予測が難しい区間の一つ。
距離が短いため勢いが出やすく、
- ここで一気に浮上する県
- 逆に置き去りにされる県
が毎年必ず生まれる。
「守るか」「攻めるか」の判断がはっきり分かれる区間だ。
第4区|4.0km
中盤の安定が求められる区間
3区の混戦を受けて走るため、精神的にも体力的にも難しい区間。
ここで耐えられないと、その後のレースでずるずると順位を落とす可能性が高い。
第5区|4.1075km
後半へ向けた重要なつなぎ
4kmを超える微妙な距離設定が、脚にじわじわ効いてくる。
- 大きく動かさない
- 流れを渡さない
この“駅伝らしい役割”を担う区間だ。
第6区|4.0875km
実業団・大学勢が本格的に勝負する区間
ここからいよいよ、実業団や大学トップクラスの選手が本領を発揮し始める。
ここで
- 差を詰める県
- 一気に抜け出す県
が現れ、レースは明確な優勝争いの形へと移行する。
第7区|4.0km
仕掛けか、我慢か
終盤に向けて、
- 仕掛けるのか
- 9区勝負に備えるのか
判断が問われる区間。
この区間をどう走るかで、アンカーが「守る立場」になるか「追う立場」になるかが決まる。
第8区|3.0km(中学生区間)
最後の波乱が起きる区間
レース終盤に残された中学生区間。疲労が溜まるタイミングだけに、ここでの差は想像以上に大きい。
- 守りに使う
- 一気に勝負をかける
近年は「勝負区間」として使われるケースも多い。
第9区|10.0km
すべてが決まるアンカー区間
皇后盃最大の見どころが、この10km。
- 逃げ切り
- 大逆転
- マッチレース
すべてが起こり得る。
真のエースだけが耐えられる区間であり、ここで勝ってこそ“優勝”と言える。
おすすめ観戦スポット
皇后盃 全国都道府県対抗女子駅伝は、京都市内を巡る周回型コースのため、場所を選べば複数回選手を見ることができるのが大きな魅力だ。
ここでは目的別に、特におすすめの観戦スポットを紹介する。
スタート・フィニッシュ
たけびしスタジアム京都(西京極)
おすすめ度:★★★★★(初心者〜上級者向け)
最も人気が高く、臨場感も抜群なのが、スタート&フィニッシュ会場である。
見どころ
- 12:30の一斉スタートの緊張感
- 9区10kmを走り切ったアンカーのゴール
- 表彰式・歓喜と悔しさが交差する瞬間
特に優勝争いは、競技場に戻ってきてからの1周で決着することが多く、最後の名勝負を確実に目撃できるのが最大のメリットだ。
※混雑必至のため、早めの到着がおすすめ。
3区・8区(中学生区間)
烏丸通(烏丸鞍馬口〜丸太町付近)
おすすめ度:★★★★★(駅伝ファン向け)
都道府県対抗女子駅伝最大の特徴である中学生区間(3km)を間近で見られるエリア。
見どころ
- 勢いだけで順位が動く
- 想像以上に速い中学生ランナー
- 一気に勢力図が書き換わる瞬間
とくに3区通過直後は、「前半の勝負が一度整理される瞬間」でもあり、順位変動を実感できるポイントだ。
第4区・第7区
丸太町通〜今出川通(京都御苑周辺)
おすすめ度:★★★★☆(落ち着いて観戦したい人向け)
観戦しやすさと、駆け引きの面白さを両立できるスポット。
見どころ
- 中盤特有の“我慢の走り”
- エース投入前の心理戦
- ペースアップの予兆
派手さはないが、「駅伝らしさ」をじっくり味わえる区間だ。
第5区・第6区
北白川〜国立京都国際会館前
おすすめ度:★★★★☆(玄人向け)
アップダウンが多く、脚力の差がはっきり出るゾーン。
見どころ
- 実業団・大学トップクラスの地力
- じわじわ削られていく選手
- ここで脱落 or 浮上が決まる県も多い
テレビでは分かりづらい、斜度や風の影響を体感できるのが、現地観戦ならではの魅力だ。
第9区アンカー区間
西大路通・五条通周辺
おすすめ度:★★★★★(勝負を見たい人向け)
アンカー10kmは、追う・逃げる・耐えるすべてが詰まった勝負区間。
見どころ
- 単独走のフォーム
- 追い上げの迫力
- 優勝争いの緊張感
「テレビよりも、肉眼のほうが圧倒的に面白い」と感じる人が多いのが、このエリアだ。
都道府県対抗女子駅伝2026、都大路の主役は誰だ

皇后盃・都道府県対抗女子駅伝2026は、若い世代とトップランナーが同じタスキをつなぐ、日本でも類を見ない大会だ。
完成度で抜けた京都、総合力の大阪、個で流れを変える兵庫、安定感の福岡や千葉――それぞれの戦い方が交錯する90分間は、順位以上のドラマを生む。
どの都道府県が、どの区間で、どんな決断を下すのか。その一瞬一瞬に注目しながら、今年も都大路の熱戦を見届けたい。


