日本記録保持者・大迫傑と世界最速の怪物ランナーたちが激突する——東京マラソン2026、史上最高峰の戦いへ

3月1日の東京マラソン2026は、国内外の歴代最強クラスのランナーが集結する“頂上決戦”となる。日本からは、大迫傑・鈴木健吾・近藤亮太など、2時間4〜6分台の高速ランナーが正式招待され、強力な布陣が揃った。
一方、海外勢にはティモシー・キプラガト(2:02:55)、アレクサンダー・ムティソ(2:03:11)を筆頭に、世界最速クラスの2時間3分台ランナーが多数エントリー。
もはや「誰が優勝するのか」ではなく、「世界記録にどれだけ迫るのか」が語られるほどのハイレベルなレースになることは間違いない。
この記事では、日本人と外国人の注目選手、そしてレース展開の鍵を握るポイントを徹底分析する。
2026年大会の概要と特徴(開催日・スタート時刻)
- 開催日:2026年3月1日(日)
- マラソンのスタート時間:9時10分
東京マラソン2026は、2026年3月1日(日)に開催される。大会のスタート時刻は、マラソンが9時10分、車いすの部は9時05分と公式に発表されており、例年通り“東京の朝”を象徴する時間帯からレースが始まる。
スタート地点は東京都庁前。東京の中心部からレースが始まり、ランナーたちは新宿の高層ビル街を抜け、飯田橋・神田・浅草など歴史と都市景観が交差するエリアを駆け抜ける。フィニッシュは東京駅前・行幸通りという壮観なロケーションで、毎年多くのランナーにとって“特別なゴール”となっている。
制限時間は7時間で、初挑戦のランナーにも完走を目指しやすい設定となっている点も特徴の一つだ。東京マラソンは、都内の名所をつなぐフラットな高速コースとして知られており、2026年も好記録が期待されるレース環境となる見込みだ。
さらに2026年大会は、2028年ロサンゼルス五輪に向けたMGCシリーズのG1大会にも位置づけられているため、国内のトップランナーにとって極めて重要な一戦となる。基準タイムをクリアすることでMGC出場権を得られることから、例年以上にハイレベルなレース展開が予想される。
ライブ配信情報(テレビ・ネット中継)
東京マラソン2026は、日本国内でも海外でも視聴しやすい充実したライブ配信体制が整っている。特に2026年大会は、有力選手が多数出場することもあり、テレビ・ネットともに大規模な生中継が実施される予定だ。
テレビ中継(地上波・CS)
東京マラソン2026は、以下の時間帯でテレビ中継が行われる。
- 日本テレビ(地上波):9:00〜11:50
- 日テレNEWS24(CS):9:00〜16:30
- Hulu / TVer / 日テレ無料:9:00〜11:50予定
これらの配信枠は大会公式で発表されているスケジュールに基づくもので、レーススタートの9:10からフィニッシュタイムまでを網羅する充実した放送体制となっている。
特にCS放送(日テレNEWS24)は午後4時半まで長時間の中継を行うため、男子・女子ともに終盤の優勝争いや、一般ランナーのフィニッシュまでしっかり追えるのが特徴だ。
ラジオ中継
- ラジオ日本(FM92.4 / AM1422):8:45〜11:35
ラジオ中継はスタート前のウォーミングアップから選手紹介、レース序盤の展開を重点的に取り扱う。移動中の視聴にも便利で、沿道観戦しながら実況を聞きたい人にもおすすめだ。
ネット配信(VOD・ライブストリーミング)
- Hulu(ライブ配信)
- TVer(ライブ配信)
- 日テレ無料(ライブ配信)
これらのプラットフォームでは、地上波中継と同じ映像をリアルタイムで視聴できるため、テレビが見られない環境やスマホ視聴にも対応している。
男子・日本人の優勝候補|大迫傑は勝てるのか?
大迫傑(LI‑NING)|日本記録保持者は“勝ち切る”条件を満たせるか
大迫傑は2時間04分55秒(2025年)の日本記録保持者。東京マラソン2026でも国内招待の軸として公式・メディアで名が挙がっており、優勝候補群に確実に入る存在だ。
東京コースは前半が緩い下りで全体的にフラットな高速設定。終盤に小刻みなアップダウンやビル風の影響はあるが、ネガティブスプリット(後半加速)での高記録が狙いやすいとされる。これはトラックスピードと巡航力のバランスに優れた大迫の走力特性と相性が良い。
勝利に必要な条件は3点。
- 序盤のオーバーペース回避(下り基調の5kmで脚を使いすぎない)
- 中盤の等速巡航維持
- 35km以降のロングスパート対応(微細なアップダウンと風を“集団活用”で受け流す)
東京特有のレース運びができれば、2:04〜2:05台の優勝レンジまで十分に戦える。
もっとも、今年は海外勢に2:02〜2:03台の自己ベストを持つ“超高速”が複数名エントリーしている。ティモシー・キプラガト(2:02:55)やアレクサンダー・ムティソ(2:03:11)らが主導するハイペース展開になると、30km以降での“余力勝負”の比重がさらに増す。
大迫が勝ち切るには、ペーサー離脱後の35〜40kmで単独区間を最小化し、日本人順位だけでなく総合トップ集団の背中を視界に置き続ける必要がある。
鈴木健吾(横浜市陸協)|日本記録経験者で“大迫の対抗筆頭”
鈴木健吾は、2021年に当時の日本記録2時間04分56秒を樹立した実績を持つ、日本マラソン界の中心的存在のひとりである。今回の東京マラソン2026でも国内招待選手として公式に選出されており、日本勢の優勝候補として大きな注目を集めている。
鈴木の最大の武器は、「イーブンペースで押し切る巡航能力」だ。序盤から中盤にかけて淡々と刻むレーススタイルは、
- 前半の下りでペースが乱れやすい
- 中盤は高速巡航
- 35km以降で細かなアップダウンが続く
という東京マラソン特有のコース構造との相性が非常に良い。
また、海外勢が2時間02〜03分台のハイペースで押してくる展開では、日本人ランナーは後半苦しくなるケースが多い。
しかし鈴木は過去のメジャーレースで、悪条件や集団のペース変化にも大きく崩れず対応してきた“安定型”のタイプであり、海外勢が後半に失速するようなレースになれば、表彰台争い、さらには優勝圏内に食い込む可能性を十分に持っている。
特に35km以降の区間は、ビル風・橋のアップダウンなどで“粘り勝負”になりやすく、スタミナ・維持力の高い鈴木には追い風となる。大迫傑のような切れ味のあるロングスパートではなく、「落ちない強さ」で勝負するタイプのため、ハイペースで前が崩れる展開は鈴木にとって理想だ。
2026年大会はMGCシリーズのG1レースでもあるため、日本勢は例年以上に順位を意識した積極的なレースが求められる。その中で、安定感・実績・巡航力という3拍子が揃う鈴木健吾は、“大迫の対抗筆頭”として最も注目すべき存在である。
その他の日本人有力|“2:05〜06帯”の台頭と勝ち筋
近藤亮太(三菱重工/2:05:39)、市山翼(サンベルクス/2:06:00)、小山直城(Honda/2:06:33)、西山和弥(トヨタ自動車/2:06:45)ら“2:05〜06台”の実力者群も招待リストに名を連ねる。彼らの勝ち筋は、ハイペースに無理に乗らず“1km2:58〜3:00”の等速で30kmを迎え、終盤で落ちてくる海外勢を拾う展開。35km以降のロングスパート合戦に同調できるかが鍵だ。
展望|“日本勢の優勝”は現実的か?
結論から言えば、優勝は「展開次第」で十分に射程。
- 気温8〜12℃前後・微風の“東京らしい巡航条件”になり、
- ペースメーカーが2:04〜2:05の設定で安定し、
- 35km以降が“持久系の勝負”になれば、
大迫—鈴木—2:05帯の日本勢に勝機が生まれる。コースがフラットで日本人の巡航適性が活きやすいこと、そして今大会がMGCシリーズのG1に位置づけられ、日本勢の“順位意識”が高くなる点はプラス材料だ。
一方で、2:02〜2:03台の自己ベストを持つ海外エースが“後半まで余力を残す”展開だと、総合優勝のハードルは上がる。この場合、日本勢の現実的なターゲットは、総合表彰台(TOP3)+日本人トップ、さらにはMGCランキングに関わる“日本人6位以内”の順位争いとなる。いずれにしても日本勢が主役級の存在感を発揮するレースになることは間違いない。
まとめ(男子・日本人)
- 大迫傑:日本記録保持者。東京コース相性◎。35km以降の集団戦術がハマれば優勝レンジへ。
- 鈴木健吾:安定感のある高速巡航。条件がハマれば表彰台クラス。
- “2:05〜06帯”の実力者群:等速巡航→後半粘りで逆転シナリオあり。
- ただし海外勢の超高速(2:02〜03帯)が終盤まで主導すると、総合優勝は難度上昇。順位重視の戦いが鍵。

男子・海外勢の優勝候補|2時間3分台の怪物ランナーたち
東京マラソン2026の“本命中の本命”は、間違いなく2時間2〜3分台の自己ベストを持つ海外エリート勢である。
今大会には、世界記録クラスのタイムを持つランナーが複数名エントリーしており、歴代最高レベルの高速決戦となる可能性が極めて高い。
ティモシー・キプラガト(ケニア)|自己ベスト 2:02:55 の大会最有力
男子の優勝候補筆頭が、ティモシー・キプラガトだ。彼の自己ベスト2:02:55(2024)は、現役ランナーの中でも世界最速クラスに位置し、東京の高速フラットコースとの相性も抜群だ。
キプラガトは前半から落ちない巡航力に加え、中盤の変化にも動じない安定性が武器。
東京はペースメーカーが優秀なため2:02〜2:04台のハイペース展開を最後まで維持できる可能性が高く、総合優勝候補の筆頭といえる。
アレクサンダー・ムティソ(ケニア)|2:03:11 の高速ランナー
自己ベスト2:03:11(2023)を持つムティソも、優勝圏内にいる有力選手だ。
ムティソの強みは、序盤から後半までペースを崩しにくい“イーブンペース能力”。東京は往復区間が多く風の影響が読みにくいが、彼は国際大会で風の強弱、気温変化、集団の揺れなどに柔軟に対応してきた実績がある。
勝負の焦点は35km以降のスパート合戦。中盤までキプラガトと並走できれば、ムティソが抜け出す展開も十分にある。
ヴィンセント・キプケモイ・ゲティッチ(ケニア)|2:03:13 の“2:03台カルテット”の一角
ゲティッチは自己ベスト2:03:13(2023)を保持する実力者で、近年のメジャーレースでも順位・タイムともに安定した結果を残している。
東京のコースは細かな折り返しと都市の気流が複雑にからむため、集団走に長けたタイプが強い。ゲティッチは「ペースが上下してもリズムを崩さない」タイプで、特に30〜40kmの失速耐性が高く、優勝争いに食い込むポテンシャルは非常に高い。
ミルケサ・メンゲシャ(エチオピア)|2:03:17 の“爆発力”タイプ
メンゲシャは自己ベスト2:03:17(2024)と、こちらも圧倒的な高速ランナーの一人。
最大の特徴は、終盤のラスト5kmで一気に上げられる爆発力。東京は35km以降に地味なアップダウンが続く“我慢区間”があるが、ここで耐えて最後の皇居前の直線で仕掛けられた場合、他の有力選手を一気に崩す可能性を秘めている。
ダニエル・マテイコ(ケニア)|2:04:24 だが“実質2:03台”の潜在力
自己ベストは2:04:24(2024)で、タイムだけ見るとやや見劣りするかもしれない。
しかしマテイコは、近年のレースで2:03台ペースの集団に最後までついていけることを証明しており、“実戦力では2:03台”と考えてよい。ハイペース展開なら“自然と上位に残るタイプ”で、東京の最終盤まで優勝争いの中にいても不思議ではない。
海外勢の勝ち筋:2つのパターンが濃厚
前半から2:02〜2:03ペースの高速逃げ切り型
キプラガト、ムティソらがペースメーカーとともに超高速で押し切る展開。日本勢では対応が難しく、総合優勝の最有力はこのパターン。
30kmまで慎重、35km以降のロングスパート型
ゲティッチ・メンゲシャ・マテイコなど、「後半型」の選手が主導する展開。最後の皇居前ストレートでトップ3が入れ替わる可能性も高い。
いずれの展開でも、東京マラソン2026は“世界最速を争うステージ”となり、総合優勝は海外勢が中心という構図は動かないだろう。
総括:海外勢は“史上最強クラスのメンバー”。優勝ラインは2:02〜2:04台へ。
- 2:02〜2:03台の自己ベストが複数名という異常なハイレベル
- キプラガトが筆頭。次点にムティソ、ゲティッチ、メンゲシャが続く構図
- レース展開次第では“世界記録に迫るペース”になる可能性すらある
東京マラソン2026は、「世界トップ vs 日本勢」の構図の中で、海外勢が抜群の存在感と優勝期待値を持つ大会になるだろう。
日本人女子の注目選手|表彰台争いに絡む国内トップランナーたち
2026年の東京マラソン女子は、海外勢が歴代最高クラスの豪華布陣となる中、
日本人女子3名の国内招待選手が「MGCシリーズ女子G1」へ挑む重要なレースとなる。
彼女たちは、2028年ロサンゼルス五輪選考につながるこの舞台で、「日本人トップ」だけでなく、MGC出場権(日本人6位以内かつ2時間27分00秒以内)を狙う非常に大切な一戦を迎える。
細田あい(エディオン)|現役ラストランとして挑む有終の舞台
細田あいは、1月8日に2026年3月末での現役引退を発表しており、東京マラソン2026が事実上のラストレースとなる。
- 名古屋ウィメンズ4位(2022)
- 数々の駅伝でエース区間を務めた実績
- 粘りと安定感のあるレース運び
これらの経験を武器に、最後の大舞台での「日本人トップ」獲得が期待される。海外勢が乱れる展開になれば、地力と経験を活かして日本勢最上位へ躍進する可能性は十分ある。
吉川侑美(キヤノン九州AC)|PB更新を狙う成長株、ハイペース適応力が魅力
吉川侑美は、近年トラック・ロード・駅伝で積極的にレースを重ねており、2025年10月にはハーフで1時間09分28秒の自己新をマークするなど、確実に成長している。
自己ベストは2時間25分20秒(大阪国際 2023)で、東京のフラット高速コースは彼女の“イーブンペース型巡航”と相性が良い。
今大会では、
- 日本人トップ争い
- 自己ベスト更新
- MGCシリーズ基準(日本人6位以内・2:27以内)
これらすべてに挑める位置におり、最もタイム面で期待値が高い日本人選手と言える。
森智香子(積水化学)|初マラソンで注目の一人、ロード適性が未知の魅力
森智香子は、今大会が初マラソンとなる注目株。一般参加枠からの選出だが、実力者として公式記事でも名前が挙がっており、中距離〜長距離のロードで結果を残してきた背景を持つ。
初マラソンは展開次第で大きく順位が動くため、勢いのある“ダークホース”として日本勢の中でも存在感を発揮する可能性が高い。
特に前半がやや下りの東京コースは、スピード型のランナーにとって入りやすい設定で、序盤でリズムに乗れれば後半まで粘れる見込みもある。
総括|日本人女子の“鍵”は安定の細田・成長の吉川・未知数の森
- 細田あい:ラストレースの強い覚悟と安定感
- 吉川侑美:タイム更新と日本人トップの最有力
- 森智香子:初マラソンの勢いと未知の伸びしろ
海外勢が強力な2026年大会だが、この3名はいずれも「日本人トップ」およびMGCシリーズ女子G1の基準突破を狙える実力を持つ。
“世界最速の戦いの中で、日本人女子がどこまで食い込めるか”その答えは彼女たちの走りにかかっている。

外国人女子の注目選手&優勝候補|世界記録級のスターが並ぶ
2026年の女子レースは、歴代屈指の“超高速メンバー”が勢揃いする。元世界記録保持者のブリジッド・コスゲイを中心に、2時間14〜16分台の自己ベストを持つトップが複数名。東京のフラット高速コースと相まって、大会記録級—ひいては世界記録に肉薄するペースになる可能性すらある。
ブリジッド・コスゲイ(ケニア)|2:14:04の元世界記録保持者、V候補の中心
女子マラソンのアイコン的存在。自己ベスト2:14:04(2019)は依然として歴代最上位帯にある超ハイスペック。コスゲイは巡航の安定感と終盤のロングスパートの両立が最大の武器で、東京のフラット高速コースとの相性も極めて良い。気温が10℃前後で風が弱い“東京好条件”にハマれば、2:15前後の超高速決着を主導しうる筆頭だ。
ハウィ・フェイサ(エチオピア)|2:14:57の超高速巡航型
自己ベスト2:14:57(2025)で、2:15切りを視野に入れてきた“世界最速帯”の一人。前半から2:16切りの巡航に耐えられるのが最大の強みで、ペーサー主導の均一ペースに強い。35km以降のビル風セクションでペースダウンを最小化できれば、コスゲイとのマッチレースも十分にあり得る。
ストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)|2:15:55、“後半伸びる”タイプ
自己ベスト2:15:55(2024)。中盤〜終盤で上げていける“後半型”で、東京の35km以降の小刻みなアップダウンに耐えてからの皇居前ストレートのロングスパートに強みがある。前が潰れる展開になれば逆転優勝のシナリオも十分だ。
ローズマリー・ワンジル(ケニア)|2:16:14、東京“適性”に期待
自己ベスト2:16:14(2024)。日本のトラック・駅伝文化を背景としたスピード能力があり、等速で刻んで最後にもう一段上げるレース運びができる“万能型”。東京の折り返しが多い区間でもフォームが崩れにくく、表彰台常連の安定感を誇る。
メゲルトゥ・アレム(エチオピア)|2:16:34、勝負強さが魅力
自己ベスト2:16:34(2024)で、ビッグレースの勝負所で存在感を出せる選手。向かい風時に“集団の中で脚を温存”できる技術が高く、35〜40kmの削り合いで前を拾う展開にハマると一気に優勝圏内へ。
勝ち筋を分けるカギ:ペース設計 × 気象条件 × 終盤の気流
東京は前半フラットでハイペースになりやすい一方、35km以降は橋や高架で微妙なアップダウン+ビル風の影響が出やすい。
- “前半型”のコスゲイ/フェイサが2:15前後のハイペースを刻んで押し切るか
- “後半型”のケベデ/アレムが終盤の我慢くらべで浮上するか
気温が8〜12℃、風が弱めなら2:15〜2:17決着の高速勝負、気温が上振れ・風が強めだと2:17〜2:19決着の我慢比べになり、後半型が有利に働く。
日本勢の入り込み余地:表彰台争いは“展開次第”で十分現実的
国際超一線級がそろう今年は総合優勝のハードルは高いが、表彰台(TOP3)や日本人トップ争いでは十分に見せ場が作れる。レースが2:16台のハイペースで均一に推移すると海外勢の分が良いが、中盤での牽制や風によるペース乱れが出れば、日本勢が30km以降に順位を上げる波に乗る展開もあり得る。MGC(日本人6位以内+基準タイム)の文脈もあり、“順位を取りに行く動き”は確実に増えるはずだ。
総括(女子)
- V候補の軸はコスゲイ。次点でフェイサ、逆転候補にケベデ/ワンジル/アレム。
- 条件が整えば大会記録級(2:15前後)の決着の可能性。風や気温が動けば“後半型”が浮上する。
- 日本勢は表彰台のチャンスあり。順位重視の戦い(MGC観点)が鍵。
優勝争いを左右する3つのポイント
東京マラソン2026は、男子も女子も世界トップレベルのランナーが集う“超高速決戦”となる。その中で誰が勝つのかは、単に選手の実力だけでなく、コース特性・気象条件・終盤の展開という複数の要素が複雑に絡み合って決まる。
気温・風の影響:勝負の成否を分ける“東京の気象”
東京マラソンの開催時期である3月上旬の気温は、例年 8〜12℃ 程度で、公式ガイドでも「記録を狙いやすいコンディション」とされている。
しかし東京の市街地はビル風の影響を受けやすく、特に 35km以降(田町〜日比谷〜東京駅) にかけては、コースに小さなアップダウンも重なり、風向きによっては急にペースが落ちる“我慢区間”になりやすい。
気温が10℃前後・風が弱いと、男子は2:02〜2:04台、女子は2:15〜2:17の高速決着の可能性がある。
逆に気温が高め・風が強い場合は、後半型の選手に有利な“粘り勝負”に変わるため、展開が大きく揺れる。
ペースメーカーの設定と中盤の巡航ペース:世界最速ペースを維持できるか
東京マラソンは「世界六大メジャー」の一つであり、ペースメーカー(ペーサー)の質が極めて高いことで知られている。
2026年は男子・女子ともに 世界トップクラスの記録を持つ海外勢が複数出場するため、序盤から2:02〜2:04(男子)、2:15〜2:17(女子)のハイペースが予想される。
コースは全体的にフラットで、特に前半5kmは都庁から飯田橋方向への緩い下り基調となり、オーバーペースに入りやすい点が“落とし穴”となる。
優勝候補たちはここで脚を使いすぎず、10〜30kmの巡航区間でリズムを崩さず進めるかが勝敗の核心。
中盤の等速巡航が成功すれば、終盤35km以降の勝負区間でスパートを決められる。
35km以降のロングスパート区間:最後に“勝負所”がやってくる
東京マラソンの最大の特徴は「勝負所が40km手前に設定される」点にある。
35km以降は、
- 橋や高架による細かいアップダウン
- ビル風の影響
- レース疲労がピークになる区間
といった複数の要素が重なり、トップ選手でも急に失速することがある。
この区間で強いのが、
- 男子:メンゲシャ、ゲティッチ、ムティソなど“後半伸びるタイプ”
- 女子:ケベデやアレムなど“粘りが武器の選手”
逆に前半型のランナーは、序盤ハイペース→後半の失速というリスクと常に隣り合わせだ。
最終盤、東京駅前の行幸通りへ入る直前、40km地点〜フィニッシュまでの1.5kmが本当の勝負区間。
ここで脚が残っているランナーが、優勝争いの“最後の一押し”を決める。
まとめ:勝つのは“気象×巡航×終盤”の三拍子がそろった選手
東京マラソン2026の優勝者は、
- 気温と風に適応できる選手
- 序盤〜中盤の世界最速巡航を崩さず走れる選手
- 35km以降でギアを上げられる選手
この3つをクリアした者だけが、激しい優勝争いを制することができる。
男子・女子ともに世界記録級の選手がそろう2026年大会。“勝負所の35km以降”を制するランナーが、東京の頂点に立つ。
東京マラソン2026|コースの概要
東京マラソン2026のコースは、東京都庁前をスタートし、東京駅前・行幸通りでフィニッシュする“東京の名所を巡る高速ワンウェイコース”です。
都心の名所を次々に駆け抜ける構成で、世界6大マラソンの中でも特に景観性と高速性を兼ね備えたルートとして知られています。
スタート:東京都庁前(新宿)
レースは高層ビルが並ぶ新宿・都庁前からスタート。序盤は緩やかな下り基調となっており、スピードが出やすい一方、オーバーペースの危険もあるポイントです。
飯田橋・水道橋 → 神田 → 日本橋
新宿を抜けると、東京ドーム近くの水道橋を経由して神田・日本橋へ。このあたりはフラットで走りやすく、都市型マラソンらしい雰囲気が広がります。観戦しやすさから沿道が盛り上がる区間でもあります。
浅草・雷門 → 蔵前
東京マラソンの名物となっている“浅草・雷門前”を通過。ここはランナー・観客ともにテンションが上がるハイライト区間で、折り返し構造のため前から戻ってくるランナーとすれ違えるのも特徴です。
門前仲町 → 銀座
門前仲町を折り返した後、中央通りを通って銀座へ。銀座周辺は広い直線とフラットな路面が続き、ハイペースを維持しやすい区間。世界トップレベルのランナーが記録を狙いやすい理由のひとつです。
田町 → 日比谷
後半戦に差し掛かると、田町から日比谷にかけて小刻みなアップダウンが増え、さらにビル風の影響を受けやすい“我慢の区間”になります。この35km以降は失速しやすく、優勝争いの分岐点となる重要セクションです。
フィニッシュ:東京駅前・行幸通り
ゴールは、赤レンガの東京駅を正面に望む行幸通り。“世界でもっとも美しいフィニッシュエリアのひとつ”と言われ、ランナーにとって特別な瞬間を迎えられる名所です。
2026年3月1日に世界最速が東京で決まる

東京マラソン2026は、大迫傑を筆頭とした日本勢と、2時間2〜3分台の世界最速ランナーたちが激突する、近年まれにみるハイレベルな一戦です。
スタートから最後の行幸通りまで、どの区間でも勝負の行方が揺れ動く“極上の42.195km”となるでしょう。
誰が勝ち、誰が歴史を塗り替えるのか──。3月1日、東京の街ですべてが明らかになります。
あなた自身の目で、この瞬間を見届けてください。
