群雄割拠の戦力分析、勝利の鍵は誰の足に?

2026年1月1日、群馬県で開催されるニューイヤー駅伝2026。企業対抗駅伝の最高峰として、全国のトップランナーが新年の幕開けを飾ります。昨年の激戦を経て、今年も優勝候補チームの戦力は拮抗し、注目選手たちの走りが勝敗を左右することは間違いありません。
本記事では、優勝候補の戦力分析と注目選手の紹介を中心に、2026年大会の見どころを徹底解説します。新年最初の大舞台を前に、駅伝ファン必読のプレビューをお届けします。
大会概要
大会名
第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会(通称:ニューイヤー駅伝)
開催日
2026年1月1日(木)午前9時15分
開催地
群馬県前橋市(スタート・フィニッシュは群馬県庁前)
距離・区間
全長約100km、7区間
出場チーム数
全国から40チームが出場予定(東日本・中部・北陸・関西・中国・九州の各地区予選を勝ち抜いたチーム)
記念大会枠
第70回記念大会として、特別枠の追加が検討されており、東日本地区は12枠に増加
主催
日本陸上競技連盟、日本実業団陸上競技連合
大会の特徴
新春の風物詩
毎年元旦に開催されるため「新年最初の駅伝」として全国的に注目。
企業対抗戦
トヨタ自動車、旭化成、富士通、Hondaなど名門企業チームが参戦し、企業スポーツの象徴的イベント。
戦力分析の妙
各区間にエースや若手を配置する戦略が勝敗を左右。特に「花の一区」「エース区間」と呼ばれる区間が見どころ。
記録更新への期待
区間記録や連続出場記録が毎年話題となり、2026年も新記録樹立が注目される。
ライブ配信情報
テレビ中継
- TBS系列で全国放送
- 放送開始:2026年1月1日(木)午前8:30~
- スタート:午前9:15 群馬県庁前
YouTube配信
- TBS陸上公式YouTubeチャンネルで定点カメラ&移動車ライブ映像を配信予定
- 一部チャンネルでは「同時視聴配信」も企画されており、チャットで交流しながら観戦可能
TVer配信
- TBS公式の同時配信サービスとして、TVerで無料視聴可能
- 見逃し配信にも対応予定
優勝候補チームの戦力分析
ニューイヤー駅伝2026の優勝候補は「旭化成」「トヨタ自動車」「Honda」の三強が中心で、そこに「GMOインターネットグループ」「三菱重工」「住友電工」などが挑む構図です。各チームの戦力は区間配置とエースの仕上がりが鍵になります。
旭化成(九州代表)
- 昨年優勝チームであり、安定した層の厚さが最大の強み。最多優勝チームであり、九州の象徴的存在
- エース区間(2区)に強力なランナーを配置できるのが武器。
- 終盤区間でも粘り強さを発揮できるため「再現性の高さ」が評価される。
トヨタ自動車(中部代表)
- 総合力の高さが際立つ。各区間に平均以上の選手を揃え、リスク分散が可能。
- 八王子ロングディスタンスで好記録を出した選手が多く、仕上がりは良好。
- 終盤のアンカー勝負にも強く、優勝条件は「序盤で大きく崩れないこと」。
Honda(東日本代表)
- 高速展開に適したチーム構成。序盤から積極的に攻める戦術が得意。
- 若手とベテランのバランスが良く、勢いを持ち込める。
- 旭化成やトヨタに比べると層の厚さでは劣るが、ハマれば一気に勝ち切る力がある。
GMOインターネットグループ(東日本代表)
- 急成長中のチームで、上振れ余地が大きい。
- 外国人選手の起用が勝敗を左右する可能性あり。
- 優勝候補三強に割って入る「ダークホース」的存在。
三菱重工(九州代表)
- 地区予選で安定した走りを見せ、勝ち筋を作れるチーム。
- 区間配置次第では上位進出も十分可能。
住友電工(関西代表)
- 勢いがあり、近年着実に力をつけている。
- 上位常連チームに食い込む可能性を秘める。
注目選手紹介
ニューイヤー駅伝2026の注目選手は、旭化成・トヨタ自動車・Hondaのエース級ランナーを中心に、外国人選手や新戦力の台頭が見どころです。特に「花の一区」「エース区間(2区)」「アンカー区間(7区)」を担う選手が大会の勝敗を左右します。
旭化成
相澤晃
東京オリンピック陸上日本代表(10000m)、パリ世界選手権でも代表として出場
旭化成の主将として存在感抜群。主要区間での起用が期待される
井川 龍人
2025年のニューイヤー駅伝では7区を走り、区間賞を獲得。最後はHondaを振り切る劇走で逆転優勝に貢献
九州実業団毎日駅伝でも1区で7位と安定した走りを見せ、チームのカギとなる存在
齋藤椋
スピードと安定感を兼ね備え、1区での起用が濃厚。
葛西潤
前回大会では5区で区間2位と好走。長距離適性と勝負強さを兼ね備える。
大六野秀畝
終盤の粘りと安定感でアンカー候補筆頭。
長嶋 幸宝
2025年ニューイヤー駅伝では1区で区間賞を獲得。高卒2年目ながら注目選手
九州実業団駅伝でも安定したタイムで貢献しており、将来のチームの顔に成長中
トヨタ自動車
西山和弥(花の一区候補)
序盤から流れを作れるスピードランナー。八王子ロングディスタンスで好記録を残し、仕上がり良好。1区での安定感があり、チームの展開を左右する存在。
田澤廉
2区で外国人選手と互角に戦える数少ない日本人。トヨタの「勝ち筋」を作るキーマン。
服部勇馬
東京五輪マラソン代表。駅伝でも勝負強さを発揮。終盤の逆転劇を演出できるアンカー候補。
田中秀幸
安定感のあるベテラン。チームの総合力を支える存在としてアンカー候補。
Honda
伊藤達彦(キャプテン)
東京五輪10000m代表経験を持つスピードランナー。1区での安定感と積極的なレース運びが強み。
設楽悠太
元マラソン日本記録保持者(2時間06分11秒)。ベテランながらスピードと経験でチームを支える。
イェゴン・ヴィンセント(ケニア出身)
東京五輪10000m代表、世界トップクラスの走力。2区は「外国人エース区間」と呼ばれる最重要区間で、ヴィンセントの存在がHondaの勝ち筋。
小山直城
マラソン日本代表経験者。長距離での安定感が抜群。アンカーとして「逆転力」と「守りの強さ」を兼ね備える。
GMOインターネットグループ
吉田祐也
2024年12月の福岡国際マラソンで 2時間5分16秒(日本歴代3位) を記録し優勝
例年「花の一区(12.3km)」を任されることが多く、序盤からハイペースを作り出す役割。今大会では「アンカー起用」が有力視されており、勝負所での安定感と爆発力を兼ね備える。
大田蒼生
青山学院大学の時代は箱根駅伝で活躍。2025年4月1日より社会人ランナーとして入社
「ニューイヤー駅伝優勝」が明確な目標。「ナンバー1を目指し、チーム設けて総合優勝」を狙う
個人としては区間賞獲得を掲げ、持ち前のスピードと粘りで区間エース級の活躍が期待される
鶴川正也
2025年3月、青学時代からのトラック・駅伝実績を評価されGMO入りが発表
トラック・駅伝・マラソンすべてで世界レベルを目指し、ニューイヤー駅伝「ナンバー1区間賞」の獲得に意欲を見せる
3区など中盤から後半戦の勝負区間に配置され、区間賞争いの有力候補、スピードと競り合い強さで“勝ちにこだわる”走りを体現し、チーム優勝への鍵を握る
三菱重工
近藤亮太
2025年大阪マラソンで 2時間5分39秒・2位(世界トップレベルの記録)、全日本実業団ハーフマラソンで 1時間00分32秒 の好記録
九州実業団駅伝2025で 1区にエントリー、チームの序盤を牽引
山下一貴
三菱重工マラソン部主将、2023年世界陸上男子マラソン11位。大阪マラソンなどで安定感ある走り(自己ベスト2時間5分51)
定方俊樹
2023年杭州アジア大会マラソン日本人トップ4位。自己ベスト2時間7分05
吉岡遼人
ハーフマラソン:1時間02分10秒、九州実業団駅伝で区間賞を獲得するなど、チームの信頼を得ている。
住友電工
野村昭夢
ハーフマラソン:1時間02分54秒、箱根駅伝6区で区間新を樹立したように、スピードを活かした下り適性が抜群。
住友電工加入後は「花の一区」や「アンカー区間」など主要区間を担う可能性が高く、チームの上位進出に大きく貢献することが期待されています。関西実業団駅伝2025では3区を担当。
西川雄一朗
長距離チームの主将。部をまとめるリーダーとして信頼が厚く、安定して上位集団に残る走力が持ち味。
佐藤榛紀
2025年関西実業団駅伝では2区を担当し、首位奪取の好走でチーム初優勝に貢献、ハーフマラソン:1時間03分43秒
富士通
塩尻和也
富士通のエース格。10000mで27分台の記録保持。スピードと持久力を兼ね備え、駅伝では「花の一区」や「アンカー区間」での起用が有力。
中村匠吾
東京五輪男子マラソン代表。マラソン自己ベスト:2時間08分台、駅伝では後半区間での粘り強さが武器。
篠原倖太朗
2025年春に富士通入り。東日本実業団駅伝2025では3区で起用された。社会人1年目ながら主要区間起用が期待される。
ニューイヤー駅伝でエース区間(2区)を任される可能性が高く、富士通の勝ち筋を握る存在。
優勝候補
旭化成
- 前回大会優勝。齋藤椋(1区)、葛西潤(2区)、大六野秀畝(7区)と主要区間に安定戦力。
- 「序盤から崩れない再現性」が最大の強み。
Honda
- 伊藤達彦(1区)、ヴィンセント(2区)、青木涼真(7区)と布陣が明確。
- 外国人エース区間での爆発力が勝ち筋。
トヨタ自動車
- 西山和弥(1区)、田澤廉(2区)、服部勇馬(7区)と日本トップクラスを揃える。
- 総合力の高さで「大崩れしない」チーム。
勝負のポイント
- 1区(花の一区):序盤で流れを作れるか。村山(GMO)、伊藤(Honda)、齋藤(旭化成)が注目。
- 2区(エース区間):外国人選手の爆発力と日本人エース(葛西潤・田澤廉)の粘りが勝敗を分ける。
- 7区(アンカー区間):逆転劇が起こりやすく、服部勇馬(トヨタ)、吉田祐也(GMO)、大六野秀畝(旭化成)が鍵。
展望まとめ
- 本命:旭化成(安定感と再現性)
- 対抗:Honda(外国人エースの爆発力)、トヨタ自動車(総合力)
- 大穴:GMOインターネットグループ(三強に割って入る可能性)、三菱重工・住友電工(上位進出候補)

コースのポイント
ニューイヤー駅伝2026の見どころは「風の影響を受けやすい1区・2区」「アップダウンが勝負を分ける4区」「逆転劇が起こりやすい7区アンカー」です。群馬特有の冬の北風と坂道が、選手の走りに大きな影響を与えます。
風のポイント
1区(群馬県庁前~高崎市)
- 序盤は冷たい北風が正面から吹き付けることが多く、集団走の駆け引きが重要。
- 風を避けるために「先頭を引かずに集団に潜む」戦術がよく見られる。
2区(エース区間・21.9km)
長い直線区間で風の影響が顕著。外国人選手がハイペースで引っ張る展開になると、日本人選手は風をどう利用するかが鍵。
7区(アンカー区間)
前橋市内に戻る区間で、ビル風や向かい風が順位変動を引き起こす。
坂のポイント
3区(伊勢崎市方面)
細かなアップダウンが続き、スピード型選手には負担が大きい。
4区(外国人区間・22.4km)
- 最大の難所。中盤にかけて長い上り坂があり、ここで差が広がりやすい。
- 下りに入ると一気にペースが上がり、耐える力と切り替えが勝負を分ける。
6区(太田市~桐生市)
アップダウンが多く、疲労が蓄積した選手には厳しい区間。
勝負所
- 1区終盤~2区序盤:風を利用した集団走から抜け出す選手が流れを作る。
- 4区中盤の坂:外国人選手が仕掛けやすく、ここで大きな差が生まれる。
- 7区アンカー:逆転劇が最も起こりやすい区間。風と坂に耐えつつ、最後のスパート力が勝敗を決める。
昨年(2025年)の結果振り返り
2025年ニューイヤー駅伝は、旭化成が5年ぶり26回目の優勝を果たし、Hondaと最後のアンカー勝負で激闘を演じました。トヨタ自動車が3位、GMOインターネットグループが過去最高の4位に食い込み、上位は「三強+新興勢力」の構図となりました。
総合順位
- 1位:旭化成 4時間47分32秒
- 2位:Honda 4時間47分40秒
- 3位:トヨタ自動車 4時間48分36秒
- 4位:GMOインターネットグループ 4時間50分33秒
- 5位:SUBARU 4時間51分21秒
- 6位:住友電工 4時間51分21秒
- 7位:三菱重工 4時間51分48秒
- 8位:富士通 4時間52分24秒
レース展開のハイライト
序盤(1区)
- 旭化成・長嶋幸宝が区間賞(34分29秒)で好スタート。
- Hondaやトヨタはやや後方から追走。
中盤(2区・エース区間)
- Hondaのイェゴン・ヴィンセントが区間賞(20分38秒)で一気にトップ浮上。
- トヨタの田澤廉も粘走し、三強が並ぶ展開に。
後半(5区~6区)
- Honda・青木涼真が区間賞(46分36秒)でリードを広げる。
- GMOは嶋津雄大が6区区間賞(32分50秒)で存在感を示し、初の上位争いに加わった。
アンカー(7区)
- 旭化成・井川龍人とHonda・中山顕が並走。
- 残り500mで井川がスパートし、Hondaを突き放して優勝を決めた。
振り返りポイント
- 旭化成:伝統の強さと勝負所での冷静さが光り、最多優勝記録を更新。
- Honda:外国人エースと日本人主力の噛み合わせが抜群だったが、最後に惜敗。
- トヨタ自動車:総合力で食らいついたが、アンカー区間で逆転ならず。
- GMOインターネットグループ:村山紘太・吉田祐也らの活躍で過去最高の4位。新勢力として存在感を示した。
30代男性会社員、家族とこたつで楽しむニューイヤー駅伝2026観戦の例
正月休みの朝。外は冷え込んでいるが、リビングのこたつに入った瞬間、体も気持ちも一気にオフになる。
30代会社員にとって、ニューイヤー駅伝2026は「家族と過ごす正月の風景の一部」だ。
テレビではニューイヤー駅伝2026の中継、タブレットではライブ配信を起動。妻がコーヒーを入れながら、何気なく画面をのぞき込む。
「この人たち、みんな会社員なんでしょ? すごいよね」
「そうそう。しかも今日は企業駅伝の日本一決定戦だからね」
そんな何気ない雑談を交わしながら、優勝候補のトヨタ自動車、旭化成、Honda、富士通の区間配置をチェック。
駅伝オタク全開になりすぎないのも、家庭で観戦する30代ならではだ。
こたつでみかんを剥きながら、妻がふと聞く。「この区間が一番大事なの?」
「うん、特に2区と4区。ここに注目選手を置いてるチームは本気だね」
ライブ配信なら、タイム差や選手の表情までしっかり見える。レースが動くたびに「来た来た」「ここ勝負だな」と自然に会話が生まれるのも、家で観戦するニューイヤー駅伝2026の良さだ。
30代になると、単なるスピード勝負以上に、企業ごとの戦略、選手起用、組織力に目が向く。それを妻にかみ砕いて説明しながら観ると、レースの奥深さを改めて実感する。
「このチーム、完全に優勝狙ってるよ」
「会社の威信をかけてる感じがするね」
そんなやり取りをしながら、こたつで肩を並べて観戦する正月。ニューイヤー駅伝2026は、優勝候補と注目選手を分析する楽しさと、家庭の温かさを同時に味わえる特別な大会だ。
企業の誇りが走る正月。ニューイヤー駅伝2026、勝つのはどこだ

ニューイヤー駅伝2026は、単なる長距離レースではない。企業の威信、選手一人ひとりの覚悟、そして一年の始まりに走る意味――そのすべてが詰まった企業駅伝の頂上決戦だ。
優勝候補チームの戦略を読み、注目選手の走りに一喜一憂しながら、こたつで家族と語り合う正月のひととき。それこそが、ニューイヤー駅伝を“毎年観てしまう理由”なのかもしれない。
2026年の主役は誰になるのか。その答えは、スタートの号砲とともに明らかになる。ぜひライブ配信とともに、ニューイヤー駅伝2026のドラマを最後まで見届けたい。
