町田を制する者は、箱根を制す─青学と中大、誇りと未来を懸けた激突

箱根駅伝の前哨戦として注目を集める「MARCH対抗戦2025」が、11月22日、東京・町田GIONスタジアムで開催される。
明治・青山学院・立教・中央・法政の5大学が、10000mの記録会で激突。
今年の大会は、青山学院大学と中央大学のエースたちが火花を散らす展開となり、駅伝ファンの期待を大きく膨らませる内容となるだろう。
箱根駅伝の主役候補たちが、ここ町田でその実力を証明する。マーチ
大会概要
2025年11月22日(土)、東京・町田GIONスタジアムにて「Colantotte Presents MARCH対抗戦2025」が開催されます。
本大会は、明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の5校による10000m記録会形式の大学対抗戦で、今年で第5回目の開催を迎えます。
箱根駅伝を約1ヶ月後に控えたこの大会は、各校の駅伝メンバー選考や調整の場として、年々注目度が高まっています。
大会形式
- 種目:10000m(4組構成)
- 順位決定方法:各大学の上位10名の合計タイムでチーム順位を競う
- 個人・チーム成績に応じて奨学金が授与される制度あり
- 有観客開催:スタンド席・トラック内観戦席(A・Bチケット)あり
- ライブ配信:ABEMA TV・YouTubeで配信
奨学金制度
- 大学別順位:1位=30万円、2位=20万円、3位=15万円、4位=10万円、5位=5万円。
- 個人順位:1位=3万円、2位=2万5000円、3位=2万円、4位=1万5000円、5位=1万円、6位=8000円、7位=5000円、8位=3000円。
- 特別賞
- 日本選手権標準記録(28分16秒00)突破=1万円
- 28分00秒突破=5万円
- 日本人学生最高記録更新=10万円
- 自己ベスト大幅更新選手に「ABEMA賞」=3万円
大会の特徴
- 各校のスクールカラーを活かしたライト演出や応援団のパフォーマンスなど、エンターテインメント性の高い大会としても定着
- 昨年はアイドルグループによるライブも実施され、今年も演出面での盛り上がりが期待されました
出場校一覧(MARCH)
- 明治大学(M)
- 青山学院大学(A)
- 立教大学(R)
- 中央大学(C)
- 法政大学(H)
MARCH(マーチ)対抗戦過去大会の順位
第4回(2024年)
- 1位:中央大学(平均28分21秒71)
- 2位:青山学院大学(28分24秒42)
- 3位:明治大学(29分14秒89)
- 4位:法政大学(29分24秒34)
- 5位:立教大学(29分27秒08)
青学の3連覇を阻止し、中央大学が初優勝。
第3回(2023年)
- 1位:青山学院大学(平均28分27秒19)
- 2位:中央大学(29分26秒83)
- 3位:立教大学(29分27秒26)
- 4位:明治大学(29分33秒29)
- 5位:法政大学(29分45秒34)
青学が3連覇達成。佐藤一世(28分11秒)、黒田朝日(28分15秒)らが好走。
第2回(2022年)
- 1位:青山学院大学(連覇)
- 2位:中央大学
- 3位:明治大学
- 4位:法政大学
- 5位:立教大学
青学が圧倒的な強さで連覇。近藤幸太郎が28分18秒で個人トップ。
第1回(2021年)
- 1位:青山学院大学(初代王者)
- 2位:中央大学
- 3位:明治大学
- 4位:法政大学
- 5位:立教大学
初開催で青学が圧勝。近藤幸太郎が最終組で快走し、箱根駅伝の前哨戦として注目度が急上昇。
青山学院大学の出場が予想される注目選手
箱根駅伝の常連校・青山学院大学。MARCH対抗戦でも圧倒的な存在感を放ちました。エースから次世代ランナーまで、注目選手が勢ぞろい。ここでは、青学の“勝利の方程式”を担うランナーたちを紹介します!
安島莉玖(あんじまりく)2年
キャプテンでエースの黒田朝日に次ぐ「準エース」として、箱根駅伝での主要区間起用も期待される安島。「次のエースになるんだという気持ちで走ります」と語り、世代トップの折田壮太や小河原陽琉らと切磋琢磨する日々を送っています。4組エントリー
- 10000m:28分19.81
- 出身高校:岐阜県の大垣日本大学高校
遠藤大成(えんどうたいせい)2年
遠藤選手は、爆発力よりも安定感と粘り強さが持ち味。原晋監督の「原メソッド」による緻密な育成のもと、1年時から地道に力を蓄えてきたタイプで、今季は5000mでも14分01秒台を記録するなど、着実にステップアップしています。
- 10000m:28分45.57
- 出身高校:長野県の佐久長聖高校
小河原陽琉(おがわらひかる)2年
小河原選手は、粘り強さと冷静なレース運びが持ち味。「計画的なトレーニングと反省を重ねる真摯な姿勢」が評価されており、原晋監督の育成方針にもフィットする選手です。4組エントリー
- 10000m:28分37.01
- 出身高校:千葉県の八千代松陰高校
黒田然(くろだぜん)2年
1年目は箱根駅伝のエントリー16人に名を連ねるも、当日変更で出走は叶わず。同期の折田壮太や小河原陽琉が駅伝で活躍する姿を見て、「格上だとは思っていない。自分も伸びればいける」と語り、今季は主力としての自覚を持って練習に取り組んでいます。4組エントリー
- 10000m:28分24.38
- 出身高校:岡山県の玉野光南高校
佐々木大輝(ささきだいき)2年
佐々木選手は、青学の2年生世代の中でも「トラック型」の選手として注目されており、箱根駅伝ではスピードが求められる区間(2区・8区など)での起用が期待されます。原晋監督も「下級生の台頭がチーム力を底上げする」と語っており、佐々木のような安定型の選手が駅伝での鍵を握る可能性があります。4組エントリー
- 10000m:28分49.48
- 出身高校:埼玉県の花咲徳栄高校
佐藤愛斗(さとうあいと)2年
佐藤選手は、スピードとスタミナを兼ね備えたタイプで、箱根駅伝では1区・3区・8区などのスピード区間での起用が期待されます。原晋監督も「若手の台頭がチーム力を押し上げる」と語っており、佐藤のような下級生の活躍が鍵を握る可能性があります。4組エントリー
- 10000m:28分40.40
- 出身高校:宮崎県の小林高校
鳥井健太(とりいけんた)3年
中学時代から全国大会で活躍し、高校では全国高校駅伝に2年連続出場。大学では1年時から三大駅伝に名を連ねるなど、着実にステップアップを重ねてきた実力者です。原晋監督も「中堅どころの底上げがチーム力を支える」と語っており、鳥井のような安定型の選手が箱根での鍵を握る可能性があります。4組エントリー
- 10000m:28分33.64
- 出身高校:大阪府の清風高校
平松享祐(ひらまつきょうすけ)3年
第101回箱根駅伝では補欠登録され、出走は叶いませんでしたが、今季は主要区間での起用も視野に入る存在。特に6区・8区・9区など、スタミナと安定感が求められる区間での起用が期待されます。4組エントリー
- 10000m:28分59.29
- 出身高校:愛知県の中部大学第一高校
本間創(ほんまそう)3年
本間選手は、主要区間を担うエース級ではないものの、6区・7区・9区などの安定感が求められる区間での起用が期待されます。原晋監督が重視する「中堅の底上げ」において、本間のような選手がチーム力を支える鍵となります。3組エントリー
- 10000m:28分57.65
- 出身高校:東京都の國學院久我山高校
荒巻朋熙(あらまきともき)4年
荒巻選手は、青学の育成力を象徴する選手のひとり。高校時代はキャプテンとしてチームを牽引し、大学では強豪の中で揉まれながら着実に成長。「周囲が強い方が負けたくないと思える」と語り、青学を選んだ理由も“挑戦”への意志からでした。4組エントリー
- 10000m:28分32.48
- 出身高校:福岡県の大牟田高校
宇田川瞬矢(うだがわしゅんや)4年
宇田川選手は、1500mで3分44秒03(学生個人選手権)という記録を持ち、関東インカレでは3年連続表彰台。一方で、ハーフマラソンでも1時間03分10秒を記録するなど、長距離への適応力も高く、駅伝でも主要区間を任される万能型ランナーです。4組エントリー
- 10000m:28分43.70
- 出身高校:埼玉県の東京農業大学第三高校
黒田朝日(くろだあさひ)4年
今や青学の“顔”として、箱根駅伝・全日本・出雲の三大駅伝で圧倒的な存在感を放っています。黒田選手は「2区でも5区でもチームに勢いをもたらす走りをしたい」と語り、山上りの適性も評価されています。最後の箱根駅伝でどの区間を走るのか──駅伝ファンの最大の注目ポイントです。4組エントリー
- 10000m:27分49.60
- 出身高校:岡山県の玉野光南高校
塩出翔太(しおでしょうた)4年
塩出選手は「最後の箱根では、チームに勢いをもたらす走りをしたい」と語っており、8区での3連覇、あるいは復路の他区間での起用も期待されています。4組エントリー
- 10000m:28分55.81
- 出身高校:広島県の世羅高校
折田壮太(おりたそうた)2年
青学の新たな安定感と勢いの源泉として、2026年正月の箱根駅伝での飛躍が期待されます。4組エントリー
- 宮古サーモン・ハーフマラソン(2025年11月):1時間02分51秒で優勝
- 出身高校:兵庫県の須磨学園高校
中央大学の出場が予想される注目選手
青学の牙城を崩し、去年のMARCH対抗戦で王座を奪った中央大学。その強さの秘密は、エース級の選手層にあります。箱根駅伝で勝利を狙う中大の注目ランナーをチェック!
吉居駿恭(よしいしゅんすけ)4年
2024年11月に行われたMARCH対抗戦では、10000mで27分44秒48を記録し、中央大学記録を更新する快走を披露しました。わずか1秒差で2位に終わったものの、自己ベストを大幅に更新しました。
- 10000m:27分44.48
- 出身高校:宮城県の仙台育英学園
溜池一太(ためいけいった)
中央大学の“二枚看板”の一角として、吉居駿恭とともにチームを牽引する存在。
その走りは、箱根駅伝の歴史に新たなページを刻む可能性を秘めています。4組エントリー
- 10000m:27分52.38
- 出身高校:京都の洛南高校
本間颯(ほんまはやて)3年
箱根駅伝2025では、3区で区間賞を獲得し、中央大学の総合順位を押し上げる原動力となりました。
- 10000m:27分46.60
- 出身高校:埼玉県の埼玉栄高校
吉中祐太(よしなかゆうた)4年
派手さはないが、着実に結果を残す“職人型ランナー”としてチームを支える。3組エントリー
- 10000m:28分23.21
- 出身高校:山口県立豊浦高校
藤田大智(ふじただいち)3年
藤田選手は「最後の箱根では、チームに勢いをもたらす走りをしたい」と語り、復路の主要区間(7区・8区)での起用が濃厚。中央大学が30年ぶりの総合優勝を狙う中、藤田の安定感は欠かせないピースです。4組エントリー
- 10000m:28分29.98
- 出身高校:兵庫県の西脇工業高校
岡田開成(おかだかいせい)2年
出雲駅伝では、1区で区間賞を獲得し、中央大学の快進撃の口火を切る走りを見せました。
- 10000m:28分08.51
- 出身高校:京都の洛南高校
明治大学の出場が予想される注目選手
2026年正月の箱根駅伝出場は逃したが、明治大学は再起を誓っている。紫紺のプライドを胸に、来年度に向けて着々と力を蓄える注目選手たちがいる。彼らの走りは、明治復活のカギを握る。
紫紺のプライドは消えていない。箱根駅伝出場を逃した明治大学が、次の挑戦に向けて走り出している。注目選手をピックアップ!
森下翔太(もりしたしょうた)4年
森下翔太選手は、明治大学の“紫紺復活”を担うエース。自己ベストは28分24秒84(2023年・世田谷記録会)で、明治大学の中でもトップクラスの記録を持っています。明治大学は箱根駅伝本戦出場を逃しましたが、森下選手は「この冬は練習に集中できる期間」と語り、トラックシーズンでの飛躍を誓っています。4組エントリー
- 10000m:28分24.84
- 出身高校:広島県の世羅高校
井上史琉(いのうえしりゅう)2年
2025年5月の全日本大学駅伝予選会・関東地区予選で、10000mを28分55秒57で走破し、自己ベストを更新しました。この記録は、明治大学の中でも上位に位置するタイムであり、駅伝メンバー入りに向けて大きなアピールとなりました。3組エントリー
- 10000m:28分55.57
- 出身高校:広島県の世羅高校
古井康介(ふるいこうすけ)4年
2024年11月23日のMARCH対抗戦では、10000mで28分58秒57を記録し、自己ベストを大幅に更新しました。この記録は、昨年までの「箱根予選会のペース走で33分台」というタイムからの劇的な進化であり、明治大学の中でも上位に食い込む結果となりました。さらに、この走りでABEMA賞を受賞し、注目を集めました。
- 10000m:28分58.57
- 出身高校:静岡県の浜松日体高校
吉川響(よしかわひびき)4年
吉川選手は「後輩たちには、この悔しさをバネに箱根駅伝本選出場を果たしてほしい」と語り、チーム再建への思いを強調しました。3組エントリー
- 10000m:28分59.97
- 出身高校:広島県の世羅高校
堀颯介(ほりそうすけ)4年
2023年のMARCH対抗戦では、10000mで28分48秒86を記録し、3組で2位に入る快走を披露しました。さらに、2025年の全日本大学駅伝予選会では28分50秒82をマークし、自己ベストを更新。トラックでも着実に成長を遂げています。3組エントリー
- 10000m:28分40.90
- 出身高校:宮城県の仙台育英高校
綾一輝(あやいっき)3年
2023年11月のMARCH対抗戦では、10000mで28分56秒53を記録し、自己ベストを更新しました。さらに、2024年5月の世田谷記録会では29分28秒31で日本人トップを獲得し、安定した走力を示しました。
- 10000m:28分56.53
- 出身高校:千葉県の八千代松陰高校
箱根への答えは、町田にあった─青学と中大、誇りを懸けた前哨戦
MARCH対抗戦2025は、箱根駅伝を目前に控えた各校の現状実力を鮮明に映し出すでしょう。
青山学院大学はエース・黒田朝日と安島莉玖、小河原陽琉を中心に、盤石の布陣を誇示。
一方、中央大学は吉居駿恭・溜池一太・本間颯という“三本柱”が圧巻の走りで総合優勝を果たし、30年ぶりの箱根制覇へ向けて強烈なインパクトを残しました。
この町田での激突は、箱根駅伝本番のドラマを予告する序章に過ぎません。
「勝つために何をすべきか」─その答えを胸に、選手たちは次なる舞台へと走り出します。

