伊勢路を制するのは誰だ?全日本大学駅伝2025、頂上決戦の幕開け!

日本の大学駅伝シーズンを締めくくる大一番、全日本大学駅伝2025男子がいよいよ開幕します。
熱田神宮から伊勢神宮まで106.8km、8区間を駆け抜ける“伊勢路決戦”は、箱根駅伝への前哨戦としても注目度抜群。
今年は國學院大学の連覇なるか、駒澤大学や中央大学の逆襲か、それとも青山学院・早稲田が伝統の力を見せるのか。
この記事では、優勝候補の分析、順位予想、そして注目選手を徹底解説します!
全日本大学駅伝とは
全日本大学駅伝は、日本の大学駅伝シーズンを代表する大会のひとつで、毎年11月に開催されます。正式名称は「全日本大学駅伝対校選手権大会」で、熱田神宮(愛知県名古屋市)から伊勢神宮(三重県伊勢市)までの約106.8kmを8区間でつなぐ、まさに“伊勢路決戦”と呼ばれる伝統のレースです。
この大会は、出雲駅伝・箱根駅伝と並ぶ大学三大駅伝のひとつであり、特に箱根駅伝の前哨戦として注目度が高いのが特徴です。出場校は、関東・関西・東海など全国の強豪大学で、学生駅伝日本一を決める舞台として毎年熱戦が繰り広げられます。
大会の魅力
- 全国規模の対抗戦:箱根駅伝が関東中心なのに対し、全日本大学駅伝は全国の大学が出場できるため、地方の強豪校にもチャンスがあります。
- 戦略性の高さ:8区間という構成は、スピード型の選手とスタミナ型の選手をどう配置するかが勝敗を左右します。
- 歴史と伝統:1970年に第1回大会が開催され、2025年で第57回を迎える歴史ある大会です。
2025年大会の開催日・コース・距離
第57回全日本大学駅伝対校選手権大会は、2025年11月2日(日)午前8時10分スタートで開催されます。
スタート地点は愛知県名古屋市の熱田神宮西門前、ゴールは三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前。距離は 全8区間・合計106.8km、伊勢路を駆け抜ける伝統のコースです。
コース詳細(8区間)
第1区(9.5km)
熱田神宮西門前 → ファーストカーゴ前
第2区(11.1km)
ファーストカーゴ前 → 長島スポーツランド前
第3区(11.9km)
長島スポーツランド前 → 霞ヶ浦緑地前
第4区(11.8km)
霞ヶ浦緑地前 → ファミリーマート鈴鹿林崎町店前
第5区(12.4km)
ファミリーマート鈴鹿林崎町店前 → ザ・ビッグエクストラ津河芸店前
第6区(12.8km)
ザ・ビッグエクストラ津河芸店前 → ベイスクエア津ラッツ
第7区(17.6km)
ベイスクエア津ラッツ → JAみえなか前
第8区(19.7km)
JAみえなか前 → 伊勢神宮内宮宇治橋前。
特徴
- 総距離106.8kmは大学駅伝の中でも長距離型。
- 後半の7区・8区が長距離区間で、スタミナと精神力が試されます。
- 序盤はスピード勝負、中盤以降は耐久戦という戦略性の高さが魅力。
過去の大会傾向と特徴
全日本大学駅伝は1970年に第1回大会が開催され、2025年で第57回を迎える歴史ある大会です。この半世紀以上の歴史の中で、コースやルールの変更、強豪校の勢力図の変化など、いくつかの特徴的な傾向が見られます。
コースと大会運営の変遷
- 1970年の第1回大会は118kmでスタート。当時は踏切待ちが発生するなど、現在では考えられない光景もありました。
- 1988年から11月第1日曜日開催に固定され、テレビ中継が本格化。
- 1992年に現在の8区間106.8kmに変更され、戦略性が高まった。
- 2018年には26年ぶりに区間距離を改定し、選手起用の幅が広がった。
強豪校の勢力図
駒澤大学の圧倒的強さ
通算16回優勝、1990年代後半から連覇を重ね、近年も安定した強さを誇ります。
早稲田大学・青山学院大学の台頭
早稲田は平成初期に4連覇、青学は2016年・2018年に優勝し、スピード駅伝を確立。
國學院大学の躍進
2024年に初優勝を果たし、勢力図に変化をもたらしました。
タイムの高速化
- 1990年代は5時間20分台が標準だったが、近年は5時間10分前後が優勝ライン。
- 2024年大会では國學院大学が5時間09分56秒で優勝、駒澤大学も僅差で続くなど、ハイレベルな争いが常態化しています。
戦略の変化
- エース区間の重要性:特に7区・8区の長距離区間で勝負が決まるケースが多く、ここに絶対的エースを配置する戦略が主流。
- 補欠選手の差し替えルール導入(2014年)により、当日対応力が勝敗を左右する時代に。
優勝候補校の徹底分析
2025年の全日本大学駅伝は、駒澤大学・國學院大学・青山学院大学の三強を中心に、中央大学・早稲田大学が追う構図です。ここでは各校の戦力と注目ポイントを詳しく見ていきます。
駒澤大学:悲願の王座奪還へ
駅伝に強い伝統校で、全日本大学駅伝との相性は抜群。エース区間・つなぎ区間ともに安定感があり、総合力が高い。
注目選手
- 佐藤圭汰(4年):京都洛南高校出身、日本学生長距離界のトップランナー。2区での爆発力は健在。出雲駅伝2025年は恥骨疲労骨折の影響で欠場。10月の出雲駅伝は怪我の影響でメンバー外でしたが、11月2日の全日本大学駅伝では16人の登録メンバーに名を連ねており、出場の可能性は高いと報じられています。過去に2区で区間記録を樹立した実績から、スピード区間(2区)での起用が濃厚。ただし、監督は「状態次第で当日判断」とコメントしており、最終決定は大会当日の朝に行われます。
- 山川拓馬(4年):長野上伊那農高校出身、昨年8区で区間賞。アンカー候補。
- 伊藤蒼唯(4年):島根出雲工高校出身、昨年3区で日本人トップ。安定感抜群。
- 谷中晴(2年):福島県の帝京安積高校出身、出雲駅伝2025で1区を担当し、区間2位の快走でチームに勢いを与えたことで一躍注目を集めています。出雲駅伝で見せたラストスパートは駅伝適性の高さを証明。有力区間は7区(17.6km)または8区(19.7km)、藤田監督も「谷中は勝負区間で使える」とコメントしており、アンカー候補の一人です。
國學院大学:二冠校の連覇なるか
昨季は出雲・全日本で二冠。4年生中心の「黄金世代」が健在。
注目選手
- 青木瑠郁(4年):群馬健大高崎高校出身、7区候補。昨年も主要区間で好走。
- 高山豪起(4年):山口高川学園高校出身、アンカー候補。ハーフで安定した走り。
- 辻原燿(3年):神奈川藤沢翔陵高校出身、第37回出雲駅伝(2025年10月13日)で4区に当日変更で起用され、区間新記録(17分20秒)を樹立し、國學院大学をトップに押し上げました。チームを逆転優勝に導いた立役者として一躍脚光を浴びました。有力候補は7区(17.6km)または8区(19.7km)、前田監督も「後半の國學院は強い」とコメントしており、辻原を勝負区間に配置する可能性が高い。
- 野中恒亨(3年):静岡県立浜松工業高校出身、出雲駅伝2025でチームを2位に押し上げ、次の辻原輝(4区)につなぐ流れを作った。有力区間は3区(11.9km)または7区(17.6km)、出雲駅伝でエース区間を快走した実績があります。長距離適性も高く、後半勝負型の國學院にとって重要な存在。
青山学院大学:スピード駅伝で王座奪還へ
箱根駅伝連覇の勢いをそのまま伊勢路へ。スピード型区間で圧倒。
注目選手
- 黒田朝日(4年):岡山玉野光南高校出身、昨年も主要区間で安定。出雲駅伝(2025)最終6区で区間賞(歴代8位)、順位を3つ上げる快走。有力区間は4区(11.8km)または2区(11.1km)、過去に4区で区間新記録を樹立しており、再び勝負区間での起用が濃厚です。青学は序盤で流れを作る戦略を取るため、黒田を前半に配置する可能性が高い。
- 塩出翔太(4年):広島世羅高校出身、経験豊富な4年生。出雲駅伝2025の5区(6.4km)で区間賞(17分54秒)、後半で意地を見せる。有力区間は8区(19.7km)アンカー
- 荒巻朋熙(4年):福岡大牟田高校出身、三大駅伝すべてで出場経験があり、特に箱根駅伝での1区経験は大きな財産。
- 飯田翔大(2年):鹿児島県の出水中央高校出身、宮古島大学駅伝6区で区間賞(18.6kmを55分55秒)、有力区間は1区または3区、飯田を前半に配置し、勝負を仕掛ける可能性が高い。
中央大学:黄金世代で上位進出を狙う
箱根駅伝でシード権獲得。10000m平均28分台のスピード集団。
注目選手
- 吉居駿恭(4年):宮城仙台育英高校出身、エース。序盤区間で流れを作る。
- 溜池一太(4年):安定感ある走りで主要区間を担う。
- 岡田開成(2年):京都洛南高校出身、第37回出雲駅伝で1区区間賞を獲得し、チームに勢いを与えた走りで一躍脚光を浴びました。有力区間は1区または2区、スピード型で序盤の流れを作る適性が高い。チーム戦略として、岡田を1区に再び起用し、吉居駿恭・溜池一太につなぐ可能性が高い。
早稲田大学:ルーキーの爆発力に期待
- 工藤慎作(3年):千葉八千代松陰高校出身、第37回出雲駅伝(2025年10月13日)で早稲田大学のアンカー(6区・10.2km)を担当し、総合2位フィニッシュに大きく貢献しました。彼の走りは「粘りと攻め」を兼ね備えた内容で、高く評価されています。ワールドユニバーシティゲームズ(2025年7月)ハーフマラソン個人&団体で金メダル、大会新記録(1時間02分29秒)。有力区間は8区(19.7km)アンカー、チームの総合順位を左右する区間で、粘り強さと勝負強さが光る。
- 山口智規(4年):福島県の学法石川高校出身、出雲駅伝2025では11位でタスキを受け、9人抜きでトップに浮上。駅伝適性の高さを証明して主将としてチームをまとめる。有力区間は2区(11.1km)、監督も「山口を序盤で使う」と示唆しており、國學院・駒澤との直接対決が濃厚です。
全日本大学駅伝2025の区間エントリー
全日本大学駅伝2025の区間エントリー発表日は10月30日です。この日に、1区から8区までの選手と補欠5人が正式登録されます。さらに、大会当日の朝に補欠選手との入れ替えが可能というルールになっています。
総合順位予想(上位5校)
1位國學院大学
出雲駅伝を連覇し、勢いは最高潮。青木瑠郁・上原琉翔・辻原燿・野中恒亨など、主要区間を任せられる選手が揃い、総合力で他校を上回る可能性大。
2位駒澤大学
全日本最多優勝校(16回)。佐藤圭汰・山川拓馬・伊藤蒼唯ら4年生カルテットに加え、谷中晴など下級生も充実。序盤でリードを奪えれば逆転優勝も。
3位中央大学
吉居駿恭・溜池一太のダブルエースに加え、藤田大智・岡田開成ら中堅も安定。スピード駅伝に強く、7区・8区で勝負できれば上位争い必至。
4位青山学院大学
箱根駅伝王者のプライド。黒田朝日・塩出翔太・荒巻朋熙ら経験豊富な4年生に加え、飯田翔大・安島莉玖などスピード型の2年生が鍵。
早稲田大学
山口智規・工藤慎作(山の名探偵)・佐々木哲・鈴木琉胤ら個性派が揃う。区間配置がハマれば台風の目になる可能性あり。
テレビ放送・ライブ配信情報
テレビ放送
- 放送局:テレビ朝日系列全国ネット
- 放送日時:2025年11月2日(日)午前8:00~午後1:50(予定)
- 番組名:「長谷工グループスポーツスペシャル 第57回全日本大学駅伝」
- 解説陣:瀬古利彦、増田明美、渡辺康幸など駅伝界のレジェンドが出演。
ライブ配信(無料)TVer
地上波同時配信+オリジナルコンテンツ(全チームの襷リレー・ゴールシーン、選手カメラ、監督カメラ)を配信。
外出先でもスマホ・PCで視聴可能。
豪華ゲスト(乃木坂46佐藤楓、槙野智章、下田裕太、伊藤達彦)が出演し、地上波とは異なる視点で駅伝を解説。
伊勢路に刻まれる青春の106.8km、勝つのは誰だ?

全日本大学駅伝2025は、伊勢路を舞台にした大学駅伝の頂上決戦。國學院大学の勢いか、駒澤大学の伝統か、それとも青学・中央・早稲田の逆襲か。106.8kmのドラマは、選手たちの努力と誇りが詰まった最高の舞台です。あなたの予想はどの大学?ぜひレース当日、歴史の瞬間を見届けてください!
