因縁の再戦か、それとも新時代の幕開けか。世界を揺らすイングランドとアルゼンチンの激突を徹底予想!

2026年FIFAワールドカップ準決勝で実現したのは、サッカー史に残る因縁のカード「イングランド代表対アルゼンチン代表」です。
1966年W杯のラッティン事件、1986年W杯のマラドーナによる「神の手」、1998年W杯のベッカム退場劇、そして2002年W杯でのベッカムのリベンジ――。両国はこれまで数々の名勝負とドラマを生み出し、世界中のサッカーファンを魅了してきました。
そして2026年、約21年ぶりの直接対決が、勝てば決勝進出という最高の舞台で実現します。
イングランドはジュード・ベリンガム、ハリー・ケイン、デクラン・ライスを中心に史上屈指のタレント軍団を形成。一方のアルゼンチンは、キャリア初のイングランド戦に挑むリオネル・メッシを筆頭に、フリアン・アルバレスやエミリアーノ・マルティネスら世界王者の実力者たちが揃います。
果たして決勝進出を決めるのはどちらなのか。
この記事では、勝利確率、予想スコア、予想スタメン、過去対戦成績、注目マッチアップ、戦術分析をもとに、イングランド対アルゼンチンの一戦を徹底予想していきます。歴史とプライドが激突する大一番の行方を見ていきましょう。
この記事の結論|イングランド対アルゼンチンの勝敗予想
- 勝利確率はイングランド36.9%、アルゼンチン31.6%、引き分け31.5%
- 最も可能性が高いスコア予想は1-1
- 90分ではイングランドがわずかに優勢
- 延長戦・PK戦まで含めた決勝進出確率はイングランド50.9%、アルゼンチン49.1%
- イングランドはベリンガムとケインの破壊力が武器
- アルゼンチンはメッシの創造性とPK戦での勝負強さが強み
- 筆者の本命予想は「90分は1-1、延長戦・PK戦にもつれ込む激戦」
イングランドがデータ上はわずかに有利ですが、その差はほぼありません。ベリンガム率いる黄金世代と、メッシ率いる世界王者の対決は、決勝戦級の接戦になる可能性が高いでしょう。
試合の基本情報
- 対戦カード: イングランド代表 vs アルゼンチン代表
- 大会・ステージ: FIFAワールドカップ2026 北中米大会 準決勝
- キックオフ時間(日本): 2026年7月16日(木) 朝 4:00
- キックオフ時間(現地): 2026年7月15日(水) 15:00(または16:00 ※米国東部時間)
- 開催会場: アトランタ・スタジアム(メルセデス・ベンツ・スタジアム)(アメリカ・ジョージア州)
- 日本でのテレビ放送・配信:DAZNなど
イングランド対アルゼンチンの勝利確率予想
2026年FIFAワールドカップ準決勝「イングランド対アルゼンチン」は、今大会屈指の好カードです。データに基づく90分間での勝利確率は、イングランド36.9%、アルゼンチン31.6%、引き分け31.5%となっており、イングランドがわずかに優勢という結果が出ています。
勝利確率予想
- イングランド勝利:36.9%
- 引き分け:31.5%
- アルゼンチン勝利:31.6%
両チームの差は非常に小さく、実質的には互角の戦いといえるでしょう。特に引き分け確率が31.5%と高く、90分で決着がつかず延長戦やPK戦にもつれ込む可能性が高い一戦と予想されます。
イングランドが優勢と予想される理由
イングランド最大の武器は、攻撃陣の圧倒的な破壊力です。
今大会のジュード・ベリンガムは絶好調で、準々決勝のノルウェー戦では2ゴールを記録。ここまで6得点を挙げており、攻守両面でチームを牽引しています。
さらに前線には同じく6得点を記録しているキャプテンのハリー・ケインがおり、ベリンガムとのホットラインは今大会屈指の得点源となっています。相手がどれだけ守備を固めても、一瞬の連係からゴールを奪える点は大きな強みです。
また、トーマス・トゥヘル監督の存在も見逃せません。戦術面はもちろん、選手に高い基準を求めることでチーム全体の集中力と精神的なタフネスを引き出しており、接戦での強さにつながっています。
アルゼンチンが勝ち上がる可能性も十分
一方のアルゼンチンにも、イングランドを上回る要素があります。
最大の存在は、やはりリオネル・メッシです。今大会ここまで8ゴールを挙げて得点ランキング首位タイにつけており、まさに「ラストダンス」と呼ぶにふさわしい活躍を見せています。
さらにフリアン・アルバレスやラウタロ・マルティネスといった決定力の高いFWを擁しており、試合終盤のわずかなチャンスを仕留める能力は世界トップクラスです。
守備陣も盤石で、クリスティアン・ロメロとリサンドロ・マルティネスのセンターバックコンビに加え、ゴールマウスにはPK戦のスペシャリストとして知られるエミリアーノ・マルティネスが控えています。トーナメント戦において、この守備力は大きなアドバンテージになるでしょう。
勝敗を左右する最大のポイントは「疲労」
両チームとも準々決勝を延長戦の末に勝ち上がっており、コンディション管理が非常に重要になります。
イングランドはベリンガムを中心に中盤の主導権を握り、縦に速い攻撃で主導権を奪いたいところです。一方のアルゼンチンは平均65%という高いボール保持率を武器に、メッシの創造性を生かしながら試合をコントロールする展開を狙うでしょう。
どちらが先制するかだけでなく、疲労が蓄積する後半以降のゲームマネジメントが勝敗を分ける大きなポイントとなりそうです。
延長戦・PK戦を含めた決勝進出確率
90分間ではイングランドがやや優勢ですが、延長戦やPK戦を含めた最終的な決勝進出確率では差がさらに縮まります。
- イングランド決勝進出確率:50.9%
- アルゼンチン決勝進出確率:49.1%
数値が示す通り、まさに五分五分の戦いです。
また、90分で引き分けた場合のシミュレーションでは、
- イングランドが延長戦・PK戦を制する確率:約14.0%
- アルゼンチンが延長戦・PK戦を制する確率:約17.5%
となっています。
実は90分間の勝率ではイングランドが上回るものの、試合が長引くほどアルゼンチンに分があるという興味深い結果が出ています。
その理由として挙げられるのが、守護神エミリアーノ・マルティネスの存在です。アルゼンチンは近年の主要国際大会でPK戦の強さを何度も証明しており、120分で決着がつかなかった場合の心理的優位は明らかです。
さらに延長戦では、フリアン・アルバレスやラウタロ・マルティネスといったスーパーサブ級のストライカーが途中投入される可能性があります。疲労が蓄積した終盤ほど、彼らの決定力は大きな武器となるでしょう。
総合的に見ると、90分ではイングランドがやや優勢、延長戦・PK戦までもつれればアルゼンチンがやや優勢という構図です。そのため、この準決勝は最後の最後まで目が離せない歴史的な名勝負になると予想されます。
イングランド対アルゼンチンのスコア予想
勝利確率を見るとイングランドがわずかに上回っていますが、その差は非常に小さく、90分間で決着がつかない可能性も十分に考えられます。実際にデータモデルでは、最も発生確率が高いスコアは「1-1」となっており、準決勝らしい緊迫した展開が予想されています。
ここでは、最有力スコアと両チームの勝利シナリオを詳しく見ていきましょう。
1-1(90分ドロー→延長戦・PK戦へ)
最も有力なスコア予想は、1-1の引き分け(発生確率13.3%)です。
両チームともに世界最高レベルの戦力を擁している一方で、準々決勝ではともに延長戦を戦っており、コンディション面に不安を抱えています。そのため、慎重な立ち上がりとなり、一方的な展開にはなりにくいでしょう。
試合はアルゼンチンが得意のポゼッションサッカーで主導権を握り、メッシのラストパスからアレクシス・マック・アリスターやフリアン・アルバレスが先制点を奪う展開が予想されます。
しかし、イングランドも黙ってはいません。トゥヘル監督が後半に的確な修正を施し、絶好調のジュード・ベリンガムがドリブル突破で違いを生み出すか、セットプレーからハリー・ケインが同点ゴールを奪うシナリオが有力です。
その後は互いに決定機を作りながらも守備陣が踏ん張り、90分では決着がつかず延長戦へ。今大会を象徴するような激闘になる可能性があります。
イングランド2-1アルゼンチン
90分以内で決着がつく場合、イングランド勝利の本命スコアは2-1です。
このパターンでは、イングランドが前線からの激しいプレッシングでアルゼンチンのビルドアップを封じ、中盤の主導権を握ることが前提となります。
ベリンガムの推進力とケインの決定力が機能すれば、アルゼンチン守備陣に継続的な圧力をかけることが可能です。特にイングランドは空中戦やセットプレーの強さがあり、ロースコアの展開でも複数得点を奪う力を持っています。
アルゼンチンもメッシの個人技やPKなどから1点を返すものの、イングランドが最後までリードを守り切る展開です。
もし試合がオープンな展開になれば、選手層の厚さという点でイングランドに分があるでしょう。
アルゼンチン1-0イングランド
アルゼンチンが勝利する場合に最も現実的なのは、1-0での逃げ切り勝利です。
この試合は両チームとも疲労を抱えているため、点の取り合いではなく我慢比べの展開になる可能性が高いと考えられます。
データ上でも、今回の一戦は「2.5ゴール以下」のロースコアゲームとなる可能性が高いと予想されています。
その中で鍵を握るのがリオネル・メッシです。
試合が膠着した状態でも、メッシは一瞬のひらめきだけで試合を決定づける選手です。スルーパス、FK、ミドルシュートなど、わずかな隙を突いて先制点を演出する可能性があります。
先制後はロメロとリサンドロ・マルティネスを中心とした守備陣がゴール前を固め、最後は守護神エミリアーノ・マルティネスがビッグセーブを連発。アルゼンチンらしい勝負強さで1-0のまま逃げ切るシナリオです。
プロの視点|スコアを動かす最大の鍵
この試合の焦点は、どちらの強みが先に発揮されるかにあります。
イングランドはベリンガムを中心にしたフィジカルと空中戦の強さ、ケインの決定力を武器にサイド攻撃やセットプレーから得点を狙います。
一方のアルゼンチンは、メッシを起点とした中央のコンビネーションや高いポゼッション率によって試合をコントロールし、少ないチャンスを確実に仕留めるスタイルです。
先制点が生まれるまでは均衡した展開が続く可能性が高いものの、一度スコアが動けば試合の流れは大きく変わります。
筆者の最終スコア予想
90分:イングランド 1-1 アルゼンチン
勝敗確率や両チームの特徴、準々決勝からの疲労度を総合的に考えると、最も可能性が高いのは90分で決着がつかないシナリオです。
そのため、筆者は
「イングランド 1-1 アルゼンチン(延長戦・PK戦へ)」
を本命予想とします。準決勝にふさわしい大激戦となり、最後はわずかなミスやスーパーセーブが運命を左右する一戦になるでしょう。
イングランド代表の予想スタメン
トーマス・トゥヘル監督率いるイングランド代表は、準々決勝のノルウェー戦(2-1)の基本布陣を維持しながら、アルゼンチンの高いポゼッション能力に対応するため、4-2-3-1をベースとした実質4-3-3で臨むと予想します。
中盤の強度を確保しつつ、ボール奪取後はベリンガム、サカ、ゴードンのスピードを生かして一気にゴールへ迫るのが狙いです。
イングランド代表予想スタメン
GK
- ジョーダン・ピックフォード
DF
- リース・ジェームズ(またはエズリ・コンサ)
- ジョン・ストーンズ
- マーク・グエイ
- ニコ・オライリー
MF
- デクラン・ライス
- エリオット・アンダーソン
- ジュード・ベリンガム
FW
- ブカヨ・サカ(またはノニ・マドゥエケ)
- ハリー・ケイン
- アンソニー・ゴードン
守備陣の予想|メッシ封じが最大のテーマ
アルゼンチン戦で最も重要になるのが、リオネル・メッシへの対応です。
センターバックにはジョン・ストーンズとマーク・グエイのコンビが入る見込みです。準々決勝ではノルウェーの絶対的エースであるハーランドを抑え込み、大会屈指の安定感を見せています。
右サイドはリース・ジェームズが有力ですが、守備重視の戦い方を選択する場合はエズリ・コンサが起用される可能性もあります。
また、左サイドバックには若手のニコ・オライリーを予想。メッシが右サイド寄りに流れてプレーするケースも多いため、オライリーには対人守備だけでなくスペース管理も求められるでしょう。
さらにトゥヘル監督は試合終盤にリードしている場合、ダン・バーンを投入して5バックへ移行するオプションも持っています。準決勝のような一発勝負では、この守備固めが勝敗を左右するかもしれません。
中盤の予想|ライスとアンダーソンが勝負の分かれ目
アルゼンチンのダイヤモンド型中盤に対抗するため、高い守備強度が必要になります。
アンカー役にはデクラン・ライスが入り、その横には今大会で評価を高めているエリオット・アンダーソンが配置される見込みです。
アンダーソンが守備的な役割を担うことで、ライスはより前向きなポジションを取ることが可能になり、攻守両面で存在感を発揮できます。
アルゼンチンはロドリゴ・デ・パウルやアレクシス・マック・アリスターを中心に中盤を支配するスタイルだけに、ライスとアンダーソンがどれだけボールを刈り取れるかが試合のポイントになります。
そして、その前にはチームの心臓であるジュード・ベリンガムが構えます。
今大会ここまで6ゴールを記録しているベリンガムは、単なるトップ下ではなく、攻守両面に影響を与えるボックス・トゥ・ボックス型のプレーヤーです。アルゼンチンにとって最も警戒すべき存在といえるでしょう。
攻撃陣の予想|ベリンガムとケインのホットラインに注目
最前線にはキャプテンのハリー・ケインが入ります。
今大会6ゴールを挙げているケインは、ゴール前での決定力はもちろん、中盤へ下がってゲームを組み立てる能力も世界最高クラスです。
ケインが引いて空けたスペースへベリンガムが飛び込む形は、今大会のイングランドが最も得意とする攻撃パターンとなっています。
右ウイングにはブカヨ・サカを予想しますが、コンディション次第ではノニ・マドゥエケの先発も十分考えられます。
特にマドゥエケは途中出場で流れを変える力に優れており、トゥヘル監督がサカを「後半の切り札」として温存する可能性もあります。
左ウイングはアンソニー・ゴードンが有力です。
縦への突破力に加え、前線からの積極的な守備が持ち味であり、アルゼンチンのビルドアップを妨害する重要な役割を担います。
プロの視点|このスタメンの鍵
この布陣の最大の狙いは、アルゼンチンのポゼッションサッカーに対して 「奪って速く攻める」 ことです。
ライスとアンダーソンが中央に防波堤を築き、メッシへの縦パスを制限する。そしてボールを奪った瞬間にベリンガム、サカ、ゴードンが一気に前進し、ケインとの連係でゴールを狙う――。
前半は組織的な守備で耐え、後半に相手の運動量が落ちたところをタレント力で仕留める。これこそがトゥヘル監督が描く理想的な勝利シナリオでしょう。
アルゼンチンとの準決勝では、ライスとアンダーソンが中盤を制し、ベリンガムが決定的な仕事をできるかどうかが決勝進出の最大の鍵になりそうです。
アルゼンチン代表のスタメン予想
ライオネル・スカローニ監督率いるアルゼンチン代表は、準々決勝のスイス戦(3-1)で機能した 「4-4-2(中盤ダイヤモンド)」 をベースに、場合によっては4-3-3へ可変する布陣でイングランド戦に臨むと予想されます。
イングランドの強みであるベリンガム、ライス、ケインを封じるためには、中盤の支配力と試合運びの巧さが欠かせません。アルゼンチンは得意のポゼッションサッカーでゲームをコントロールしながら、メッシの創造性を最大限に生かす戦い方を選択するでしょう。
アルゼンチン代表予想スタメン
GK
- エミリアーノ・マルティネス
DF
- ナウエル・モリーナ
- クリスティアン・ロメロ
- リサンドロ・マルティネス
- ニコラス・タグリアフィコ
MF
- ロドリゴ・デ・パウル
- レアンドロ・パレデス(またはチアゴ・アルマダ)
- エンソ・フェルナンデス
- アレクシス・マック・アリスター
FW
- リオネル・メッシ
- フリアン・アルバレス
守備陣の予想|世界王者を支える鉄壁の最終ライン
アルゼンチン最大の強みの一つが、安定感抜群の守備陣です。
センターバックにはクリスティアン・ロメロとリサンドロ・マルティネスの黄金コンビが並ぶと予想されます。
ロメロは対人守備の強さと空中戦の強さを兼ね備えたファイタータイプであり、イングランドのエースであるハリー・ケインを自由にプレーさせない重要な役割を担います。
一方のリサンドロ・マルティネスは高いビルドアップ能力と読みの鋭さを武器に、最終ラインから攻撃の起点となります。
サイドバックにはモリーナとタグリアフィコを配置し、攻撃参加と守備のバランスを重視。特にモリーナは右サイドから積極的に攻撃へ関与し、イングランドの左サイドを押し込む役割が期待されます。
そしてゴールマウスには守護神エミリアーノ・マルティネスが控えます。
PK戦で圧倒的な強さを誇るマルティネスの存在は、アルゼンチンにとって大きな安心材料です。準決勝のような大舞台では、その存在感がさらに際立つでしょう。
中盤の予想|ダイヤモンド型で中央を完全支配
スカローニ監督がイングランド戦で最も重視するのは、中盤の主導権争いです。
予想されるダイヤモンド型の中盤では、アンカーにレアンドロ・パレデスを配置し、その前にロドリゴ・デ・パウルとアレクシス・マック・アリスターを置く形が有力です。
さらにトップ下にはエンソ・フェルナンデスが入り、攻撃と守備をつなぐ役割を担います。
場合によっては、より攻撃的なチアゴ・アルマダを起用し、4-3-3に近い形へシフトする可能性もあります。
イングランドにはデクラン・ライスやジュード・ベリンガムという世界最高レベルの中盤が存在するため、アルゼンチンとしては中央のスペースを消しながら細かいパスワークで試合をコントロールしたいところです。
特にデ・パウルはメッシを支える“影の主役”ともいえる存在で、運動量と献身性によってチーム全体のバランスを保っています。
攻撃陣の予想|メッシとアルバレスの最強コンビ
前線はリオネル・メッシとフリアン・アルバレスの2トップが濃厚です。
今大会ここまで8ゴールを記録しているメッシは、まさに絶好調。右サイド、中央、あるいは中盤まで自由に降りながらプレーし、一瞬のひらめきで決定機を創出します。
イングランドとしては誰がマークするのか非常に難しい相手であり、90分間集中力を切らせない守備が求められます。
そのメッシを支えるのがフリアン・アルバレスです。
アルバレスは豊富な運動量を武器に最前線からプレッシャーをかけ続け、相手守備陣を疲弊させます。ゴールだけでなくチームのために走れる点が、メッシとの相性の良さにつながっています。
さらにベンチにはラウタロ・マルティネスという強力な切り札も控えています。
準々決勝のスイス戦でも結果を残しており、試合終盤に投入された場合の破壊力は世界屈指です。
プロの視点|このスタメンの鍵
このスタメンの最大の狙いは、「ボールを保持してイングランドのカウンターを封じること」 にあります。
イングランドはベリンガムやサカを中心に、ボール奪取からの速攻で最も威力を発揮するチームです。そのためアルゼンチンは無理に攻め急がず、中盤でボールを回しながら試合のテンポを支配する戦い方を選ぶでしょう。
そして勝負どころでは、メッシの天才的なラストパスや個人技が流れを変える可能性があります。
さらに後半以降は、ラウタロ・マルティネスやアレハンドロ・ガルナチョといったスーパーサブ級のアタッカーを投入し、疲労が見え始めたイングランド守備陣に襲い掛かる展開も十分考えられます。
アルゼンチンが決勝進出を果たすためには、中盤のダイヤモンドがベリンガムとライスを封じ、メッシが勝負を決める瞬間を生み出せるかどうかが最大のポイントになりそうです。

イングランド代表対アルゼンチン代表の過去対戦成績
イングランド代表とアルゼンチン代表は、サッカー界を代表するライバル関係として知られています。FIFA公式の国際Aマッチ通算成績では、これまで13試合で対戦し、イングランドが6勝、アルゼンチンが3勝、引き分けが4試合となっています。
また、ワールドカップの舞台に限ると両国は5度対戦しており、イングランドが3勝、アルゼンチンが1勝、引き分けが1試合(PK戦でアルゼンチン勝利)という成績です。
さらにこの対戦カードは、1982年のフォークランド紛争を背景とした歴史的な因縁もあり、単なるサッカーの枠を超えた特別な一戦として世界中から注目を集めてきました。
ここでは、ワールドカップで繰り広げられてきた数々の名勝負を振り返ります。
ワールドカップでの対戦歴
2002年日韓W杯|グループステージ
イングランド 1-0 アルゼンチン
1998年フランスW杯の雪辱を誓ったイングランドが見事なリベンジを果たしました。
マイケル・オーウェンが獲得したPKを、キャプテンのデイビッド・ベッカムが冷静に決めて決勝点。4年前の悲劇を払拭する劇的な勝利となりました。
一方、優勝候補に挙げられていたアルゼンチンは、この敗戦が響いてグループステージ敗退。大会屈指の衝撃的な結果となりました。
1998年フランスW杯|ラウンド16
アルゼンチン 2-2 イングランド(PK戦4-3でアルゼンチン勝利)
両国の歴史でも屈指の名勝負として語り継がれる一戦です。
前半から壮絶な打ち合いとなりましたが、試合の流れを大きく変えたのはデイビッド・ベッカムの退場でした。
シメオネへの報復行為で一発退場となったベッカムは、イングランド国内で激しい批判を浴びることになります。
数的不利となったイングランドは懸命に戦いましたが、最後はPK戦でアルゼンチンが勝利。ベッカムにとってはキャリア最大級の試練となった試合でした。
1986年メキシコW杯|準々決勝
アルゼンチン 2-1 イングランド
サッカー史上最も有名な試合の一つです。
ディエゴ・マラドーナは後半、伝説となる2つのゴールを記録しました。
1点目はGKシルトンとの競り合いで左手を使って決めた「神の手ゴール」。
そして2点目は、自陣からドリブルで5人を抜き去って決めた「世紀のゴール」です。
わずか数分の間にサッカー史上最も有名な不正ゴールと、最も美しいゴールが生まれた試合として今も語り継がれています。
1966年イングランドW杯|準々決勝
イングランド 1-0 アルゼンチン
両国のライバル関係が大きく加熱するきっかけとなった試合です。
試合は終始荒れ模様となり、激しい接触やラフプレーが続出。アルゼンチンの主将アントニオ・ラッティンが退場処分を受けると、判定への不満からなかなかピッチを去らず、試合は混乱状態に陥りました。
この試合は後に、サッカー界でイエローカード・レッドカード制度が導入される契機の一つになった試合としても知られています。当時はカード制度が存在せず、主審の口頭による警告や退場宣告しかなかったため、言語の違いもあって判定が分かりにくく、大きな混乱を招きました。
さらに興味深いエピソードとして、イングランドのレジェンドであるボビー・チャールトンもこの試合で警告相当の処分を受けています。
チャールトンは「サッカー史上最も紳士的な選手の一人」と評され、長いキャリアを通じて警告を受けたのはわずか2回。その非常に珍しい警告の1回が、この1966年のアルゼンチン戦でした。
ドイツ人主審ルドルフ・クライトラインから「非紳士的行為」として実質的な警告を受けたものの、当時はカード制度がなかったため観客にはほとんど伝わりませんでした。後に新聞報道などによって明らかとなり、ボビー・チャールトン本人と兄のジャック・チャールトンが強く抗議したという逸話が残っています。
試合そのものは開催国イングランドが1-0で勝利。この勝利を足掛かりにイングランドは勢いに乗り、最終的に自国開催のワールドカップで初優勝を成し遂げました。
しかし、この試合が生んだ両国のわだかまりは長く残り、後の1966年大会以降、イングランド対アルゼンチンは単なる強豪国同士の対戦ではなく、歴史と感情がぶつかり合う特別なカードとして語られるようになったのです。
1962年チリW杯|グループステージ
イングランド 3-1 アルゼンチン
両国がワールドカップで初めて対戦した記念すべき試合です。
イングランドが攻守で優位に立ち、3-1で快勝。ここから両国の長いライバル関係が始まりました。
この対戦成績から紐解く今大会のポイント
約21年ぶりの直接対決
イングランドとアルゼンチンが最後に対戦したのは、2005年11月の国際親善試合です。
この試合ではイングランドが終盤にマイケル・オーウェンの2ゴールで逆転し、3-2で勝利しました。
つまり、今回の準決勝は実に約21年ぶりの直接対決となります。
近年の代表戦で対戦経験がほとんどないため、過去のデータが参考になりにくい点も、このカードの面白さといえるでしょう。
メッシにとって初のイングランド戦
意外なことに、アルゼンチンの至宝リオネル・メッシは代表キャリアで一度もイングランド代表と対戦したことがありません。
2005年の親善試合当時は代表デビュー直後で出場できず、その後も両国に対戦機会はありませんでした。
代表通算200試合以上を戦ってきたメッシにとっても、イングランドとの対戦は特別な意味を持つ一戦となります。
史上初のW杯準決勝対決
これまでの対戦はグループステージ、ラウンド16、準々決勝までであり、ワールドカップ準決勝での対戦は今回が初めてです。
勝者は決勝へ進み、敗者は夢を絶たれる――。
過去の因縁や歴史を超えて、新たな物語が刻まれる舞台が整いました。
過去の成績はイングランド優勢、だが勝負強さならアルゼンチン
歴代成績を見るとイングランドがわずかに勝ち越しています。
しかし、トーナメントでの勝負強さという点ではアルゼンチンも負けていません。1998年大会ではPK戦を制しており、近年もエミリアーノ・マルティネスを中心にPK戦で圧倒的な強さを発揮しています。
そのため、過去の対戦成績だけで優劣を判断することはできません。
歴史はイングランド寄り、勝負強さはアルゼンチン寄り。
そんな両国が激突する2026年W杯準決勝は、因縁と実力が交錯する歴史的な一戦になるでしょう。
直近5試合の対戦結果一覧
直近5試合を見ても、引き分けや1点差の決着がほとんどであり、常に実力が1ゴール差以内にひしめき合っていることが分かります。この20年間、お互いに世界トップクラスのタレントを輩出しながらも直接肌を合わせる機会がなかったため、今回の2026年大会準決勝は「未知の領域」でありながら、歴史的な因縁が再燃する究極の一戦となります。
| 試合日 | 大会・ステージ | 試合結果(スコア) |
|---|---|---|
| 2005年11月12日 | 国際親善試合 | イングランド 3 – 2 アルゼンチン |
| 2002年6月7日 | 日韓W杯 グループF | イングランド 1 – 0 アルゼンチン |
| 2000年2月23日 | 国際親善試合 | イングランド 0 – 0 アルゼンチン |
| 1998年6月30日 | フランスW杯 ラウンド16 | アルゼンチン 2 – 2 イングランド(PK 4-3 でアルゼンチン勝利) |
| 1991年5月25日 | チャレンジカップ | イングランド 2 – 2 アルゼンチン |
2005年11月:親善試合の枠を超えた逆転劇(3-2)
中立地スイスで行われた一戦。アルゼンチンに2度リードを許す苦しい展開でしたが、試合終了間際の87分と92分に、イングランドのストライカーマイケル・オーウェンが立て続けにヘディングシュートを叩き込み、劇的な逆転勝利を収めました。親善試合とは思えない激しいインテンシティで戦われた名勝負です。
2000年2月:旧ウェンブリーでのスコアレスドロー(0-0)
建て替え前の旧ウェンブリー・スタジアムで行われた親善試合。親善試合とはいえ、両国のライバル意識から球際のはげしい手堅いロースコアゲームとなり、互いに決定機を活かしきれず0-0の引き分けに終わりました。
1991年5月:ウェンブリーでの激しいドロー(2-2)
ロンドンで行われたカップ戦。イングランドがゲーリー・リネカーらのゴールで2点を先行したものの、アルゼンチンが後半に驚異的な粘りを見せて2-2の同点に追いつき、勝ち点を分け合いました。

イングランド対アルゼンチンの注目マッチアップ
イングランドとアルゼンチンは世界最高レベルのタレントを揃えており、試合の勝敗は個々のマッチアップによって大きく左右される可能性があります。
特に注目したいのは、中盤の主導権争い、前線とセンターバックの駆け引き、そしてメッシを巡る攻防です。
ここでは、準決勝の行方を左右する3つの注目マッチアップを紹介します。
ジュード・ベリンガム vs エンソ・フェルナンデス
中盤の支配権とバイタルエリアの攻防
この試合の最大のテーマの一つが、中盤の主導権争いです。
今大会ここまで6ゴールを記録し、イングランドの快進撃を支えてきたジュード・ベリンガム。トップ下を起点に圧倒的な推進力を発揮し、自らゴール前へ飛び込むプレーは世界屈指です。
これに対し、アルゼンチンではエンソ・フェルナンデスが中盤の舵取り役を担います。卓越した戦術眼とポジショニング能力を武器に、相手の攻撃を未然に防ぐ能力は非常に高いものがあります。
戦術的ポイント
ベリンガムは単なるトップ下ではなく、ハリー・ケインが下がって作ったスペースへ飛び込む「セカンドストライカー」としても機能しています。
そのためエンソには、
- ベリンガムへの縦パスを消す
- 前を向かせない
- ゴール前への侵入を遅らせる
という重要な役割が求められます。
エンソが中央を締めてベリンガムを封じ込めれば、アルゼンチンはボール支配率を高めながら試合をコントロールできるでしょう。
しかしベリンガムがフィジカルと推進力で上回れば、一気にイングランドの攻撃ペースとなり、アルゼンチンの守備陣は苦境に立たされます。
ハリー・ケイン vs クリスティアン・ロメロ
世界最高峰の「偽9番」とトッテナムの元同僚による肉弾戦
前線では、イングランドの絶対的エースであるハリー・ケインと、アルゼンチン守備陣のリーダーであるクリスティアン・ロメロの対決が見逃せません。
特に両者は長くトッテナムでプレーしていた関係もあり、お互いの特徴を熟知しています。
そのため単なるエース対決ではなく、「手の内を知り尽くした者同士の心理戦」でもあります。
つまりケインは、「超一流の司令塔(10番)」と「超一流の点取り屋(9番)」の役割をひとりで同時にこなせるため、世界最高峰の偽9番と称されています。
戦術的ポイント
ロメロ最大の武器は、対戦相手に対して激しく寄せるアグレッシブな守備です。
ケインは最前線に張るだけではなく、中盤へ降りてゲームメイクに参加するため、ロメロは判断を迫られます。
- ケインについていくのか
- 最終ラインを維持するのか
この選択が非常に重要になります。
ロメロがケインを完璧に封じれば、イングランドの攻撃は停滞するでしょう。
一方でケインが巧みにロメロを引き出した場合、背後に生まれるスペースをサカやゴードンが利用できるようになります。
その瞬間、イングランドのカウンターは一気に破壊力を増します。
リオネル・メッシ vs デクラン・ライス
史上最高の魔法使いと世界屈指のボールハンター
この試合最大の見どころと言っても過言ではないのが、リオネル・メッシとデクラン・ライスの対決です。
今大会ここまで8ゴールを挙げているメッシは、まさに絶好調。しかも代表キャリアで初めてのイングランド戦という特別な舞台で、強いモチベーションを持って臨んできます。
そんなメッシの自由を奪う役目を担うのが、イングランド中盤の要であるデクラン・ライスです。
戦術的ポイント
メッシは右サイドから中央へ流れたり、トップ下まで下りたりしながらボールを受け、一瞬で局面を変えるプレーを得意としています。
ライスに求められるのは単なるマンマークではありません。
- メッシへのパスコースを潰す
- バイタルエリアのスペースを消す
- カウンターの起点になる
という複数の役割を同時にこなす必要があります。
さらにライスだけでなく、
- ニコ・オライリー
- エリオット・アンダーソン
- マーク・グエイ
らとの連携によって「メッシ包囲網」を構築できるかが重要になります。
それでもメッシは、一瞬のターンやスルーパスだけで試合を決められる選手です。
ライスがボールを刈り取ってイングランドの速攻につなげるのか、それともメッシが天才的なプレーで守備網を突破するのか――。
このマッチアップこそ、準決勝最大の見どころになるでしょう。
プロの視点|勝敗を左右するのはどの対決か
3つのマッチアップはいずれも重要ですが、最も試合への影響が大きいのは 「リオネル・メッシ vs デクラン・ライス」 と考えられます。
イングランドがメッシを封じれば決勝進出へ大きく近づきます。一方でメッシがライスの包囲網を突破し、得意のラストパスや決定力を発揮できれば、アルゼンチンが主導権を握るでしょう。
ベリンガム、ケイン、メッシ――。
世界最高クラスのスターたちが激突するこの準決勝は、個の力と戦術がぶつかり合う最高峰の戦いとなりそうです。
筆者の最終予想
勝敗予想:イングランド
予想スコア:1-1(PK戦)
決勝進出予想:アルゼンチン
MVP予想:リオネル・メッシ
ベリンガムか、メッシか。世界最高峰の才能がぶつかる夜、サッカーの歴史が再び動く
イングランドとアルゼンチンによる2026年ワールドカップ準決勝は、戦力、データ、選手層のどれを取っても大きな差がなく、まさに決勝戦級のカードです。
イングランドはベリンガムやケインを中心とした破壊力抜群の攻撃陣、アルゼンチンはメッシを軸とした世界王者らしい勝負強さが魅力。勝利確率や予想スコアを見ても両チームの実力は伯仲しており、90分で決着がつかず延長戦やPK戦にもつれ込む可能性も十分に考えられます。
過去には「神の手」、ベッカム退場劇、そしてベッカムの雪辱など数々の名勝負を生み出してきた両国ですが、今回の準決勝はそれらに匹敵する歴史的な一戦になるでしょう。
果たして決勝進出を決めるのはイングランドか、それともアルゼンチンか。
世界中の注目が集まる大一番を、最後まで見届けましょう。

